豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

 2006年10月号プリンセス連載分雑感

月刊 プリンセス 2006年 10月号 [雑誌]
今月のネタバレあらすじ


キャロルたちを乗せた船がエジプトを目指して地中海を南下している同じ頃、紅海を北上する一隻の船があった。船の主はインダス王国の太子。未来を読むナイルの姫に面会するためやってきたという彼らは、エジプト領紅海沿岸の港コセイルに到着し、首都テーベを目指す。
その頃、首都テーベでは、留守を預かるイムホテップ宰相たちが、王妃無事保護・王と共に間もなく帰還の報を受け喜びに沸いていた。カプター大神官、神殿侍女メクメク、王弟ネバメン、侍者ペルトたちはそれぞれに想いを巡らす。そこへ、コセイルの守備隊長からインダス王国より使節来るとの早馬が到着。この事態を受け、宰相は急ぎ王の船へ伝令を飛ばす。
船上では、キャロルが周囲の優しさに包まれ、体調も徐々に回復しつつあり、和やかなムードが漂っている。そこへイムホテップからの連絡を携えた鳥が飛来し、インダス王国の太子が来訪し王妃への会見を希望している事態を知らせる。国王であるメンフィスを差し置き、自分に会いたいという太子に困惑するキャロル。何はともあれ、メンフィスは客人を迎えるため帰国を急ぐ。
場所は飛んで、再びテーベ。宰相イムホテップの許に、クセイル港からワディ・ハンママート街道を進んできたインダスの太子一行が夕刻到着との報が入る。出迎え準備にざわめく王宮内で、それまで逼塞していた王弟ネバメンが密かに動き出した。カプター大神官を訪ねたネバメンは、自分がファラオの代理として客人に会おうと申し出る。重臣たちもこぞってこの案に賛同、宰相は王国の体面を考え了承する。
そしてとうとう太子が王宮に到着した――

以下、11月号に続く。



今月のお言葉

「なぜやすやすと王宮内にヒッタイト兵が入りこんだのか
警備を――
もっと厳重にせねばならぬ!
――もしや、王宮内に内通者がいたのでは――」
*1


■つらつらと。

1976年10月号から始まった本誌連載が、今月つまり2006年10月号で30周年を迎えたため、見開きカラー2P分の口絵特集が組まれている。一瞥するだに壮観である。なんといっても「田中角栄前首相逮捕」が開始年の事件だし。私が雑誌を立ち読みしだしたのは、たぶん1986年以降のことなので、それにしたって10年経過していたことになるのである。あの頃のワタシの予想では、今頃とっくに王家は(ハッピーエンドで)終わっていて、ワタシ自身ももうちょっとマシなオトナになるはずだったのだが、得てして予定というものは狂いがち。
ねぇ、そうじゃありませんか〜?特にアイシスさま?


さて、誰が呼んだか知〜らないけれど新キャラである。
でもって相変わらずの名無しの君である。
かの君のことはとりあえず「太子」と呼んでおこう。正確に言うと、太子は何年も前にシルエットだけ登場しているから、今回初顔見せってことになる。以前、象をプレゼントしにきたインディラさんの血縁なのかもしれない。ミノス王を黒くしてターバンをかぶせたような細面の優男氏である太子は「父上の命で未来を読むナイルの姫君に会うために」やってきたそうである。久々にお綺麗なお面の若い男ォ〜〜!!!が登場したのはめでたい限りだが、男臭いネバメン様と更に鼻が曲がりそうなほど男臭いジダ坊に弄ばれている間にワタシのハートは象の皮膚並みになってしまったよ。真顔でヨメに「ますます美しくなってきたぞ」とにホザく王様にも水分吸い取られたことだしのぅ。


コセイル(クセイル)港⇒ワディ・ハンママート⇒コプトス⇒テーベと来たらしいインダス太子は、1ページ目で登場するなりラストでは王宮前。早い早い。


太子様曰く、「アラビア海で敵に襲われた」ですって?
ぉぃぉぃぉぃ…なんか海のシルクロードばりにワイド展開になってきましたぞよ。ロシア行きは免れても、キャロルはそのうちモンスーンに乗ってベンガル湾とか来ちゃうんじゃないか?(激嫌)
おおリオブラボーまたかいナイルの姫にお願い。
こりゃまたきっと無理難題を吹っかけて来るね。
また国内で重病人でも出たか?
ナイルの王妃に看てほしいとでもいうのだろうか。
テーベは王家のERかっつーの。
そういえばERってシーズン10まで行ったんだっけ?
ていうか、ロス先生、「オーシャンズ13」で共演したエレン・バーキンと付き合ってるってホント?


…ダメだ。
どうも盛り上がれないわ。
連載30周年お祝いなのに。41年ぶり親王ご誕生祝賀に沸く日だというのにねぇ。おかげで
「王家連載30年目のプリンセス発売日に生まれた方」って記憶してしまったじゃないの。
明日パソコン修理に出すからって、こんな駄文垂れ流してる自分に欝。



今月ヘナヘナの元凶は、イムホテップ宰相閣下、あなたじゃよアナタ!
アナタも伝書鳩持ってたんですか〜!!今更言うも愚かだが、エジプトの安全保障部門はどうなっておるのか。だいたい王宮警備を厳重に――って、何千年それ言っても無駄だろう。前にもおんなじ指令出したのプッツリ忘れてるでしょ。それに、拉致事件直前の運河祭りのときに、王弟ぶりっこしたがったネバがしゃしゃり出てたのはいいが、ファラオから一喝され尻尾巻いて逃げた件も覚えてませんね?だからいくら王と王妃が不在中とはいえ、ネバに任せる気になるんですか?途中突如披露された ネバ殿下のセミヌードも烈しくビミョーだが(あそこのペルトの一言「おめえ、めしも食わないでか?」を「おめえ、下着もはかないでか?」と脳内変換して欝)、着飾れば着飾るほど馬子に見えてしまう奇奇怪怪ネバメン殿下。そんなイロモノ王弟出さなきゃ保てないエジプト王国の体面ってナニ?
あだ〜さしものナナメ読者な私ももう限界。昔のほうが良かった的大合唱はワタシの趣味じゃないとはいえ、それよりこの話のオチがどこまで行くのかのほうに興味があって文句タラタラいいつつ5年ばかり買い続けてきたのだが、今度の30周年号で本誌購入やめにしてもいいかも…ホトホト疲れた。何しろ、ハチミツ塗り羞恥プレイで大騒ぎしてるキツネとテティ(カバーイラストの彼女はかわいい)を、傍で姫様が「うふふ…もうエジプトの王宮に帰ったみたい…」と仰ったのだから。
あーそうですか。また「パンがなければ私が買ったお菓子をたべれば」姫さま宮廷編をやらかすつもりだね。


そんな王宮なら帰らなくていい。
ていうかワタシが帰りたくないんですナフテラ様〜降ろして、いや海に捨てて下さい(さめざめ)。

そもそもどうしてネバメンは、ああいうふうに(=浅薄で自惚れやの不美男キャラに)描かれないといけないのだろうか。細川マンガよくある敵役のこういう描写(はっきりいえばザマァみろ的扱い)を見るたびに、ワタシのゴシックハートがズキズキ痛む。かといって、私が惚れたはずのヒロインは、近年ますますアッパラパー独善娘(?)になってゆくし、何をどうすればいいのだ。パピルがけなげでカワイイといいうなら、脳みそ絞って悪だくみし一世一代の大博打に打って出ているネバメンだって、健気な奴でカワイイわと称えるファンがいてもいいだろう(まぁ、ネバメンは大望抱くわりには、ちょいとマメさと客観性が足らないかなという気はするけど)


それでもって、今月のコピーがまたすごいことになってる。


「王家」の“愛”は世界を救う!!
キャロルとメンフィス、そしてイズミル王子…至高の愛の物語!!


イズミル王子入ってるし(笑)
わざと意地悪く言わせてもらうが、「キャロルとメンフィス、そしてパピル…至高の愛の物語!!」でも何の違和感もないのが今の王家ストーリーの問題点なのでしょ。私は今の王家的愛とやらに救われたくないし、んな虫のいい愛で世界が救えるとも思わない。人の心は変わるのだよ。人間は、あれほど愛してくれた人のことだって、針の先ほども気にかけなくなってしまえるのだから。どれほどアナタを愛してるかを叫んでも、つまり、自分が叫んでいるということを示したいだけじゃないのさ。イズミル王子の愛は「至高」なんかじゃないほうが面白いでしょう、とヒネくれた私なんかは考えてしまう。最近の乳母日傘なイズミル王子がどんどん乙女化していくにつれ、どんどんつまらない男になっている気がするの。青白い顔して長いまつげ震わせながら「おおお〜姫よ」と呻いていたら女は皆同情してくれると思うなよ。今月掲載の和泉かねよし作ブラックなショート8p「日常に潜む恐怖、つっこめない恐怖」に出ていた、ナルシストな他称王子の話がオーバーラップするんだ(1コマだけイズミル王子の絵描かれていたのは、確信犯だろう)

思うに、王子様などという輩は、幸せになんてならなくていいのだ。
苦悩に満ち、憤怒に駆られる疾風怒濤の悲劇的存在であれ。
あるいはすべてをあざ笑って毒々しく孤高に生きろ。
いずれにせよ、そうやって一時代を鮮やかに走り去るべし!
王子の持つものといえば髑髏――と連想してしまう人間ですからワタシ。

スマン、王子。こうしてみると怖いわ。
なんか今日は、我ながらスサンでるからもう寝よう。


■追加 描きかけ、というか描き止めたやつ。

*1:宰相イムホテップ