豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

 映画「花よりもなほ」雑感

花よりもなほ 愛蔵版 (初回限定生産)監督:是枝裕和
出演:岡田准一宮沢りえ古田新太香川照之浅野忠信國村隼原田芳雄中村嘉葎雄ほか。
2005年日本映画・上映時間 2時間7分
公式サイト



私はどっちかというと、登場人物がカクカクシカジカ若こう然りの左様御尤もで御座候てな喋り方をする時代劇が好きな人間なのだが、こういうラフなのもいいわなと思いながら観た1本。父の仇討ちの為に江戸に出てきた青木宗左衛門は、仇を求めて江戸のドブ長屋みたいな所で暮らしているうちに、仇討ちの意味を疑問に思い始める…という話。とにかく、ド庶民パワー溢れる長屋住民が粒ぞろいで楽しかった。それら濃〜ぃい面々に混じって、あれ!こんなところに!?という感じで中村嘉葎雄さんなんぞいたりする。最近、香川照之も外れがないよな(ついでに、怪しいヤブ医者の原田芳雄さんは江戸潜伏中の赤穂浪士・小野寺十内だ)。長屋住民からすれば、天下の赤穂義士といえど「夜中に徒党を組んで押し込みに入り可哀想な爺さんを殺した奴ら」というのに爆笑してしまった。眉間に皺を寄せさせるような、義理人情に人の道etc.を大上段に構える話もいいだろうが、復讐の連鎖という負の面を重たく感じる今のご時勢では、こういう笑い飛ばし系のほうが、かえって共感できるかもしれない。桜が散るのは来年また咲くことを知っているからだ、という作中のセリフはまこと至言だと思う。主役の岡田君はややテンション抑えてマスカ?てな感じだったが、海千山千な古田さんとの絡みがすっごくおかしくて好き。長屋の汚いセットや信濃のシーンの緑陰がにじむ様な画面も良かったし、無印良品のテーマソングみたいな癒し系劇中音楽が新鮮だったかな。