豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

 フィールド自然史博物館の古代エジプトコーナー

3月に旅をして以来、書こう書こうと思いながらとうとう夏になってしまった。シカゴは2016年夏季オリンピックの開催地として名乗りを上げているので、ワタシが棲息する東京都のライバルということになるんだな。そういえば旅行中も街中でポスターを見かけたが、あまりの寒さにてっきり冬季五輪のことだとばかり思っていた。

ミシガン湖のほとりにある「フィールド自然史博物館」
The Field Museum 公式サイト
電車の最寄駅から歩いて5分はかかる。近くに見えるのに全然近づけないという、おそろしく巨大な博物館である。正面の横幅だけでも、上野の科博の優に3倍ぐらいありそうだった。
前日に続いて2回目の訪問。午後にはシカゴを発たねばならないので、朝一でもういちど駆け込み見物しにきたときのもの。
おまけに博物館が建っているのは、ミシガン湖のほとりなのでやたら風が吹きつけ、なかなか前に進まないときた。足元は積もった雪のせいでけっこう滑るし、道は見えないし、誰も通らないし、明るい場所とはいえ女一人なので見知らぬ場所で難渋すると心細くなる。そのせいか湖を見下ろして、寒風に震えながらケータイを押し留守電相手に一人しゃべくり。それにしても凍った湖なんて生まれて初めて見たわぁ〜きれいなブルーだ(タクシーの運転手との会話によると、“でも水はとても汚いョ”とのことだったが)

中に入ると何やら音楽が聞こえてくる。
この日は土曜だったので、ホールでネイティブアメリカン関連の催しがあるみたいだった。
中学生くらいの子どもたちが衣装をつけて歌ったり、踊ったりしている。わたしも中に入って見物してみた。みんな一生懸命発表していて可愛いったらない。
そのうち本物のネイティブアメリカンらしき男性4人組が舞台の上で円陣を組んですわり、太鼓を叩きながら歌い始めた。私には初めて聞く節回しだったけど、勇壮なのにどことなく哀愁ただよう歌声がホール一杯に響き渡り、それを生BGMに展示を見て回るという贅沢な体験をする。




この博物館の主ともいえる、ティラノザウルス(化石の全身骨格)「Sue(スー)」はやっぱりデカい。そして今日も大人気。

目当ての古代エジプトコーナーは地階にある。というか、前日は間違えて地下の入り口から入ってしまった(つまり逆から見たわけね)ワタシであるが、この日は1階のお墓を模した入り口から入ってみる。螺旋階段を上がっていったん墓の構造を上方から確かめたところで、おもむろに地下へくぐり、ミイラやミイラ柩や副葬品がわんさか陳列されている地階コーナーに導かれていくことになる。なんだか探検している気分。
まぁ、朝イチだったので前日みかけたような子どもの集団はおらず、がら〜んとしたフロアに一人立っていると、けっこうコワイ。
あ、おはようございますミイラさん。
どーもどーも朝からお騒がせして申し訳ないですぅ〜フロムジャパンのナイストゥミーチューでございます。
あら、アナタの護符の説明文はイラストもわかりやすくていいですねぇ。
写真とっていいかしら?
昨夜はよく眠れましたかそーですか。ええ、昨日は子どもがえらい沢山見学に来ていて賑やかでしたからね。あれは社会見学かなにかですの?ところでこちらの博物館の食堂って、○ックが入ってるんですねぇ〜あ、シカゴに第一号店があるから。あらそうなんですか。ワタシは知らずに1階のカフェでパンを買って食べましたわ。あ、ほらほらこの手の甲のスタンプ見えます?これ面白いですね!なんか遮光土偶のお面みたい。入館証がわりに手にスタンプされたのワタシ初めてですよ。
あ?うるさいからあっちいけ?
すみませーん、次のコーナー行ってきます。

これは前日の写真。ええこのハゲが気になって写真撮ったんですが、奥に見える子どもたちは一体何をしているのかというと…

古代エジプト人風に、橇に載せられた石を動かしてみよう〜という体験コーナにハマっていた子どもたちなんである。男の子も女の子も二人ずつペアになり、代わる代わる引っ張ってみるが橇はぴくりともしない。わたしもこの日の朝、一人で引っ張ってみたが、もちろんぴくりともしやがらん。腰を痛めそうになって慌てて止めた。
後ろに見えているのは古代の船だそうだ(本物)。木造船で、大きさは6巻でルカが王子を救出に向かったときの船くらいをイメージしていただければ宜しいかと。このへん適当。
別の場所にも何やらひとだかりが。
前方に見える葦の茂みとか鳥、カバはもちろん作り物。でも水は本物。近寄ってみると、皆が溜まっていたのは、釣瓶で水を汲み上げていたのねと判明。王家19巻で農村の村人がナイル川から畑に水を引き入れるのに使ってた、あの装置と全く同じやつがそこに据付られていた。そこで私も水汲みを試みる。池に木製の桶を沈め、水を汲み上げて水路の上にぶちまけるだけの単純な作業なのだが、けっこうドキドキ。水がちょろちょろと流れるのを確認してささやかな満足感に浸る。

このように遊びながら実際に体験してみよう、という展示の仕方が面白い。なんつーか、このスペースってあんたたち静かに見なさい!走らないで!とかいうエラソー感がなく、全体的に遊び心があるところが好き。これは古代エジプトボードゲーム。子どもたちがけっこう夢中になって遊んでいた。古代エジプトには「セネト」というボードゲームがあったらしいが、こんなかんじかな。すごろくみたい?
この少年は、「古代エジプトのベッドに寝てみよう」体験中。
私も寝てみたかったが、どー見ても子どもサイズなのであきらめるしかない。そこで「写真とっていい?」と許可を求めると、笑顔でOKと言ってくれた彼である。
撮影後、出来上がりを液晶画面で見せると「COOL!」と笑ってくれた。うきゃ。

これは「死者の書」に描かれている「最後の審判」のシーンを人形仕立てにしたもの。絵とかイラストではよくみかけるが、この場面を人形に演じさせて見せるというのは初めて遭遇。とても良く出来ていて感動した。


ミュージアムショップにもずらっと古代エジプトグッズが陳列されていて驚倒。
素敵なブックエンドとか、置物とか、手鏡とかあったのだが、重すぎてあきらめた。無念。

故障中だったが、ヒエログリフ式の名前入り記念メダルを作れる自動販売機発見。
形といいイラストといいロゴといい、なんだかかわいくて思わず記念撮影。