豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

 2006年9月号プリンセス掲載分雑感

月刊 プリンセス 2006年 09月号 [雑誌]■今月のネタバレあらすじ
メンフィス王が愛妃キャロルを取り戻し、一時拠点としていたユーフラテス河畔の廃神殿に戻ったその夜、協力者であるアマゾネス女王の陣をネウロイ人が襲う。キャロルは暗闇の中で不気味な気配を感じるが、メンフィスが異常に気づいたため侵入者は直ぐに退散。俄かの敵出現に警戒したアマゾネス女王は、妹ヒューリアを連れて帰国することを王に申し出、快諾される。これによりアマゾネス姉妹はキャロルに感謝して帰国の途につく。時をおかず、メンフィス王も妃を連れて撤兵すべく中海沿岸の砦ツロに向けて発ったため、エジプト兵を追って駆けつけてきたアルゴン王は渦巻くユーフラテスの対岸で歯噛みして見送るしかないのだった。無事ツロの砦に到着したキャロルたちは、待機していた船上でナフテラ女官長をはじめ懐かしい女官たちと再会を喜ぶ。船は一路エジプトへ…
⇒以下、10月号に続く。



■今月のお言葉
「キャロルは戦慄した!」
*1


■雑感

  • カバー絵について⇒まぁまぁ。アマゾネスの女王とファラオが肩を並べて戦うのもコレが最後にして欲しいが。
  • 中身絵⇒キターーーー!!王家名物2ページぶち抜き墨塗りが!左上から右下方へ怒涛の如くユーフラテスの濁流が渦巻いとるッ!!(両肩にちまちまっと書き込まれた吹き出しセリフが味わい深し)
  • 展開⇒二人はひしと抱き合いラブラブで海路エジプト帰還…ハッピーエンドじゃないですか。なのに私を襲うこの疲労感はどこから来るのだろうなぁ…

とにもかくにも、ネウロイ人払魔退散めでたいのである。このままウラルのステップに舞台が移ったらどーしようかと思ったよ。おまいらナニをしに出てきたのだ…とツッコミたいのは山々であるが、暗闇の牛みたいな輩を撫で回してもコメントしようがないわな…たぶん、ヒューリア王女を姉上と一緒に帰国させるために敵役のネウロイ人がゲスト出演したのだろう。そういうことにしておこう。


つらつら回顧すれば、キャロルが運河開通祭りムードに沸く下エジプト王宮からヒッタイト人に拉致されてより今月まで、王家名物助けてメンフィスーーーーーーッ!!が繰り広げられてきたわけだが、この間、現実世界の時間に引きなおすと4年近くかかって(過去日記調べなおす気力もないのでうろ覚えのまま書いてみる)やっと御夫妻は目出度くご帰国と相成る。

なんだかな。
自分がどんどん年を重ねていくせいか、20年近く経っても時が止まったままの王家ワールドは心地よいといえばよいのだが、今回の奴隷キャロル編に関しては肩透かしに終わった再会が多すぎる。一番の何をしに出てきたのよ筆頭はイズミル王子だろう。キャロルが目を覚ましたのに気づいて「おお、姫よ〜〜〜」といいながらすっ飛んで来たときの彼の輝く表情が雑誌を捨ててしまった今でもわたしは忘れられない。あまりにも…あまりにも……バ…え〜その…無邪気すぎて。その後に続く「わが妃」語り白昼夢の薄気味悪さには雑誌を取り落とし、子守爺が泣き落とし始めるシーン至っては絶望のあまり机で頭を打った私である。哀れだ。あまりにも哀れすぎやしないか…イズミル王子周辺は。王子の忠臣ルカは「おお我が主君イズミル王子の姫君への想いは届かず…捻じ曲げられ違った方向へ…」と暗がりで嘆いていたのであるが、王子周辺のみに通用しているこの定説、「我が王子の想い=ピュア=正義」という認識と、物語中における彼らの道化並みの扱われ方に落差がありすぎて非常に辛いのだが。笑うところなのか?笑っていいのか??といってもキャロル周辺の「ナイルの姫君=お優しい=叡智あり=我らの守り神」一辺倒もいい加減に怖いものがありますがね。まさに祭政一致の神政国家エジプトの名に恥じないというかね。


王子の主張は浮けば浮くほど純粋なのかもしれない。しかし当のキャロルと何の対話もないまま壊れたラジオのように発信しつづけるあの方たちは完全にあっちの世界に住んでいるようだ。宿敵ジダンタシュが出てきたときは期待させられたが、あっという間にこいつもただの脳内筋肉でしかないことが露呈し、王子とは平行線のままフェードアウト。王子はキャロルから烈しく非難拒絶され、宥めようとして記憶にない結婚話を暴露したもんだから恐怖感を上書きしてしまった挙句、またしてもご自身は満身創痍で退場。メンフィスには「我が妃を奴隷に落とした」と断罪され、まぁそれはファラオの非難の通りだから弁護する余地もないのだけれど、そうまでしてもイズミル王子に今回いい所(キャラ的救済)がまったくなしってのは物語として座りがわるいんじゃないかという気がする。本誌が二大キャラの片割れとしてオマケつけてまでファンを釣りまくってる当のキャラが、本編では愛しの姫をキモがらせただけなんていいのかそれで。王家の紋章 (51)言っちゃなんだが、今回の王子の扱われ方に較べれば、きっちり職責を果たして射殺退場となった奴隷番ブスル氏のほうがまだ安らぎが得られそうだ(しかも51巻で一世一代の晴れ姿を残して去ってますよ)。王子と同じくキャロルを想う情熱にかけては対等なはずのフェネッ仔のもてはやされぶりといい、アイシスの女下げっぷりといい、大きな子供ジダンタシュの目も当てられぬ貶められぶりいい、ヒーローだったはずのメンフィスの黒パンツといい…もしや作者は、わたしのようなナナメ読者をこんなにも居たたまれない気分にさせたいんでしょうか。だとしたら確かに成功しておりますよ。


更に、ラストにナフテラたちが出迎えに来ていたのをみて、あちゃーと頭を抱えてしまうのである。ナフテラがというか、テティの登場に。明るくて元気でキャロルに忠実でちょっとおっちょこちょいなところが可愛いという位置づけらしい(?)彼女だが、私ははっきりいって好きじゃない。SWでいえば、ジャージャービンクス(謎)。ドジな失敗で話をひっかきまわすのはキャロルだけでお腹いっぱい。メンフィスまでキャロルのイエスマンになってしまった昨今、フェネッ仔だって皮がキツネなだけで、中身はキャロル万歳侍女連のクローンに見えるぞ。メンフィスの腹心だったウナスも、ミヌーエ将軍ですら、キャロルのことを「姫君」とテンプレで呼び始めたのが示すとおり、あそこはプリンセスファッショな国になってしまったのよッ!!!ネバメンとカプターとメクメクに望みを託すしかないだなんて、私の安住の地はどこなのっ!!!教えておじいさん(号泣)

王と王妃はフェネッ仔連れで帰国することになり、これからまた神政キャロル王国編が始まるのか…と考えると眩暈がするのだが、ところは海の上、それも地中海(大緑海)であるし、怪魚騒動でちらっと言及されていたアトラス王子に激突されてエジプトへしばらく帰れなくなるってこともあるのかな。あと、キルケーが王様を釣っていっちゃうとかどうでしょうね。ああ、でもそうすっとエジプトに帰れるまであと何年かかるんだろう。おおはるかなるエジプトよ―――

来月号は「王家30年の歴史を振り返る永久保存版口絵企画」というものがあるそうだ。私が雑誌を読み始めたときは既に連載10年経過していたので、昔の話を知るのはとても楽しみだ。古いカラーイラストなんかを沢山見せてくれると嬉しいな。ラブラブ王家の6回連続クイズ企画が今月で終了。いちおう解いてみたのはいいが、出来上がったあまりのベタなキーワードに葉書もって部屋を走り回ってしまったワ。ラブラブ王家といえば、毎号秋田書店系の少女漫画家さんからお祝いイラストカットが載るのが密かな愉しみな私なのですが、先月の金田一蓮十郎さんのさりげなくヌードアイシスなカットと、今月の水城せとなさんのキャロル&フェネッ仔がヒジョウにツボだった♪初めてフェネッ仔(パピル)が可愛いと思ったもん。さてと呼び出し喰らったことでもあるし、クイズ回答葉書でもだしてプレゼント貰いましょ。

*1:地の文。最近キャラのモノローグと地の文がごちゃごちゃで読みづらい