豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

 映画「スーパーマン・リターンズ」雑感

Superman Returns: The Official Movie Guideスーパーマン・リターンズ/Superman Returns
2006年アメリカ映画 
上映時間 2時間34分

監督:ブライアン・シンガー
出演:ブランドン・ラウス 
   ケイト・ボスワース
   ケビン・スペイシーほか


きのう、喫茶店に入ってふと頭上のランプシェードを見上げたら、電球に「クリプトン球」と記されたシールが張られてあったので、思わず笑ってしまった。クリプトンといえば、スーパーマンの故郷クリプトン星から採った名前なのだろうか。強くて長持ちってかんじだ。


さて、その「スーパーマン・リターンズ」を観てきた。   
☆☆☆のうち☆1つはジョン・ウィリアムズのあのテーマ曲に捧げたい!
スーパーマン・リターンズ」を観るにあたり音響のいい映画館にしたので、フルオーケストラであのテーマ曲を聴くことができて特大満足なワタシである。チャッチャチャ〜チャララ〜〜のテーマはやはり名曲だ。オープニングも元シリーズっぽく作ってあって、往年のファンはさぞかし喜んだことでしょう。


映画そのものは「父よ、あなたは強かった」てなかんじで、ミョーに男の子チックだった。故マーロン・ブランド(「スーパーマン」)まで引っ張り出してくるくらい、そして、スーパーマンだってパパになってしまうくらい、つまり、かなりお父ちゃんラブ♪路線ではないかと。ワタシはこないだTVで放送されていたリチャード・ドナー監督の1978年版「スーパーマン」(故クリストファー・リーブが主演していたシリーズの第一作)をやっと通しで観たばかりだったので、ブライアン・シンガー監督は、ドナー版「スーパーマン」が相当好きなんだなぁとヘンな所に感心してしまった。クラーク・ケントが育った農場とか、レックス・ルーサーのオフィスが本だらけなとことか、北極のクリプトン基地とかに凝っているというか。それにしても私は映画館で感心しましたね。よくもまぁ今時あんな古典的な風貌の二枚目新人を発掘してきたもんだ。古代ギリシャの美青年かと思わせるような肉体美(別にヌードシーンがあるわけではない。飛行機とか自動車持ち上げたりはするが)、笑い方だって天気晴朗なれども腰低しで好感度高め(意味不明)、くるんとひとだけ房巻いた前髪が可愛くていいのだな。


え〜だから何だと言わないで下さい。
そもそも、ワタシは「スーパーマン」といえども、胸に自分の頭文字マークつけて赤パンツ黄ベルト青タイツに赤マントひらひらさせて飛んでくる!というあのキャラクターには勘弁してぇぇぇ〜〜〜〜と逃げたくなるのだ。子供心にスーパーマンってステキ♪と思ったのだって、たぶんTVでちょっとだけ映画版の放送を見たのであろう、うどの大木っぽいクラーク・ケント氏のほうだもの。彼の、新聞記者としてどうなのかと思わせるトロくささに好感を抱いたのである(そしてこの嗜好は間違いなく「スパイダーマン」のピーター好きに繋がる…)。でも、デイリー・プラネット社ビルの窓から落下しながら、スーパーマンに変身するシーンとか見て「いつも服の下にあんなナイロンの服なんか着込んで暑くないんか?」と疑問を抱いたなぁ。今回のシンガー版スーパーマンについては、「赤パンツの面積縮小度に時代を感じる」という先鑑賞者のコメントを漏れ聞いて、ドキドキしながら観に行ったのだが、確かに、ちょいと赤パンツもローウェストね。だいいち、赤パンツの色自体が私が覚えていた赤色じゃないの!あれは赤じゃなくて臙脂色!ヒラヒラのマントも真紅のサテンというよりは、臙脂色のスエードっぽい。そしてそしてコスチューム本体の水色部分も、ゴムかシリコンってな光沢に見えるので、新スーパーマンが画面に大写しになるとブランドン・ラウスの古典的な風貌と相俟って、「この部分って実写じゃなくてCGか?」と何度も目をこすらねばならない。スッカーンと晴れ渡った青空のようだった、クリスチャン・リーブのスーパーマンに較べると、やはり時代設定とか今の世相とか(2006年公開で帰還が5年遅かったスーパーマンの設定ってのがキーらしい)、監督の趣味とか諸々考えると、超人ヒーローといえど暗めになってしまうのであろうか。しかし、何を隠そうワタシは、ドナー版「スーパーマン」のラストが大嫌い。そう、例の都合の悪いことは逆回転で時をやり直して万事メデタシってなあの能天気さが、どーしても駄目なのだ。その駄目さ、拒否感の前には、いくらハゲでも、いくらジーン・ハックマンからケビン・スペイシーに変わっても矢張り土地転がしオヤジにしか見えないレックス・ルーサーのおマヌケさだって物の数ではない。そういうわけで、ブライアン・シンガー版の、自分探しの旅から帰って来たら、プチ浦島太郎になっており、ひょっとして僕って要らないヒト??と悩んじゃうスーパーマンてのは、なかなか面白いんじゃないかと思う。スーパーマンは居てほしいけど、人間はズルいから居るとダメダメになっちゃうんだろうな。とりあえず、ラストでその葛藤も解消されたみたいだし、続編あと2本の契約はしてるそうなので頑張って続けてほしい。ただ資金がど〜のというニュースを見かけてちょっと心配なのだが。。


その他。
ロイス・レインとスーパーマンが夜の街を空中飛行するシーンは、テーマ音楽も美しく、これぞロマンチック(笑)と嬉しくなってしまった。それにしても、ロイス・レインってばハイヒール履いたまま乱気流に揉まれて何度も体を壁に叩きつけられるわ、ドレスのまま潜水救助させられるわ、重い扉で頭を強打して水にブクブク沈められるわ、んでもピンピンしてるわで、さすが鋼鉄の男の恋人だけあって鋼鉄の女と申し上げたい。ロイス・レイン役のケイト・ボスワースという女優さんはブロンドの時は特にいいと思わなかったのが、ダークヘアーにするとうって変わって色っぽい。さすが彼氏(オーリー)がロイス・レイン人形持ち歩いているだけある…ってどうでもいいか。今回、スーパーマンと張り合うことになるのが、ロイス・レインと同棲中の恋人リチャード、ちょいと目のあたりがヴィゴ・モーテンセンに似ていて(?)ステキな、役柄も潔くて男前だったのであの俳優さんが気になるワタシ。調べるとJames Marsdenという彼は「X-men」のサイプロス役のひとだった。そりゃわからんはずだよ。


あとは、とても個人的なことでは、最近若い頃の出演作を見てホォォ〜となっていたばかりのフランク・ランジェラが編集長役で顔を見せていたのに驚き(というか、体型の変化に驚いた)、そして、クラークの養母の役でちらっと出ていた綺麗な老婦人が、ヒッチコック映画に出ていたあのエヴァ・マリー・セイントだというのを知って感動しているところ。作品に歴史あり。人に歴史あり。観客にどーでもいい萌え史あり。んで、ワタシはクラーク・ケントのメガネフレームデザインは、今のややスリムなやつのほうが絶対に好きなのである。赤パンツと同じ。

下らんですね。ハイ。