豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

男手かシリコンか


恋のためらい フランキー&ジョニー「恋のためらい フランキー&ジョニー」をなぜか借りてきて見てしまった。アル・パチーノミシェル・ファイファーの共演作。女は恋に傷つき心を閉ざしたウェイトレス。もう若くない。男はムショ帰りのコック。これが人生を立て直す最後のチャンスだと心に期すものの、そろそろ自分の年が身に沁みる。二人はマンハッタンにあるギリシア系カフェの従業員同士として出会う。ちょいと所々ビターだけど、しみじみといい恋愛映画。
大学生時代に見たときは、ふ〜ん大人っぽいハナシだわって感じだったのだが、今見ると非常に……な気分だ。大都会で暮らす日常の孤独な感じとか。寂しさって結構ホルモンに支配されてる部分があるよねとか。なかでも、う”っと思ったのが、フランキー(一番仲良しの隣人はゲイの俳優@ネイサン・レイン)が、いつもカフェの男性陣から、ジャムだの何だのが入った壜をひょいっと目の前に突き出されると、あの細腕で眉一つ動かさず開けてしまうシーンだった。一度だけ彼女が表情に出したのは、男3人がかりで締めたというキャンディの壜。しかしそれもやっぱり彼女は開けてしまうのだけれども。
これには、私もおおいに実感できるので笑ってしまった。ああ今ここに男手があったらナア…とつくづく情けなくなるのは、何と言っても壜の蓋が開かないときだった(それしかないとでも??)。いつぞやは思いっきり捻りすぎて手首を傷め、1ヶ月ジンジンしていたり。その後も、壜の蓋をガスの火で炙るとか、湯せんしてみるとか、諦めるとか色々悪戦苦闘したのだった。でも開けなきゃどうにもならんわけで、結局、しらずしらずのうちに、私の細腕(?)にもそれなりに握力がついてきたような気がしてたりして。
だがだがしかしッ!!
この難題も、ある時すごくあっさりと解決をみる。世の中には壜の蓋が開けられなくて困っている女がゴマンといるんだ、悪いか!シリコン製のオープナーという代物がキッチン用品売り場にあったのよね。(参照)以来、どんなに固く締まった蓋もこれを被せてキュッとひねると魔法のように開いちゃう〜あらアタシもやるじゃないというかんじ。

……虚しい。



まぁそれはどーでもいいのだが、劇中、ちらちらっと地下鉄の駅の入り口が映る。そうすると、私はこのあいだの旅行でもらってきたNY地下鉄マップを広げてみて、ああ、このお店はだいたいこの辺で(たぶんチェルシーとかあのへん)、フランキーがジョニーとサンドイッチ持ってブレイクしに行ってたユニオン・スクエアは3ブロックくらい東に歩いてすぐなのね〜とか想像してみたりするのだった。
これは3月上旬のユニオン・スクエア。
この公園では平日はいつも朝市が開かれていているらしく、雪が降っているのにテントも張らないお店が出ているのには驚いた。近郊の農家の人が、野菜とか自家製のジャムとかを売りに来るらしい。あるいは暖かそうな毛皮とか。私は朝食事代わりにこの朝市の名物アップルサイダーなるものを飲んでみたが、これがなんと温かいりんごジュースなのだった(シナモン入り)。素朴で美味しかったけど、今まで飲んだことないかなり不思議な味ではある(あとで冷めたものを飲むと全然美味しく感じなかった)。ある出店ではりんご1つ頂戴というと、かなり嫌な顔をされたし、パンもスライスして半分だけくれと言うと、うちではそういうのお断りと丸ごと買わされた。そしてその後このパンを一口も食べないうちに、メトロポリタン美術館の入り口でセキュリティスタッフに見咎められ、外のゴミ箱に捨てて来いと言われることになるとは露知らぬ私なのだった。