豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

 エル・アルコン

某日。
ご好意でチケットを譲っていただくことができ、東京宝塚劇場で公演中の「エル・アルコン-鷹-」を観た。2階のだいぶ後方席だったが、主演の安蘭けいさんの声がえらいセクシーで、思わずときめく。しかも、安蘭さんはちゃんと歌も歌える人だった。
時はエリザベス1世時代の英国。アルマダ会戦前夜、イギリス人の母とスペイン貴族の不義の子として生まれた海軍仕官ティリアンの野望と夢を描いている。ティリアンはクールな眼差しと、熱い魂を持つ、とても複雑で魅力的なキャラクターで、いままでヅカに登場しなかったのが不思議なくらい。
舞台版では、「私はあなたを愛していましたよ」と優しく言いつつ、一片の真も込めてないティリアンがとてもステキであった。ド派手な赤コスもいい!「あの」シーンも宝塚でやるのかなぁ…と思っていたが、あにはからんや一番の見せ場になってたと思う。ティリアンって、性格の根っこに一種の女性不信と嫌悪がある人じゃないかと感じたんだが、あのシーンで、彼はあなたからの祝福が欲しいのだという意味のことを言う。「わたし」が認めた「あなた」を勝利の証として欲しいと言う。自信家の彼にすれば、最上の愛の告白てやつか、てなことを暗がり照れながら思ってしまった私なのだった。自由を熱烈に求めつつ、国賊となるのも辞さない彼が憧れたのが落日のスペイン帝国てのが大いなる皮肉ではあるのだが、結局、スペインが象徴した「海」こそがティリアンの求めるものだったのかなぁとも思う。同時代を描いた映画「エリザベス/ゴールデン・エイジ」が公開されるので、観にいかなくちゃ。

てなことを考え、青い海とオレンジの木の幻に酔いつつ、駅を出たらば目の前が一面マッチロで仰天した。