豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

2009年2月号月刊プリンセス連載分雑感

もともとこのカテゴリーは単行本を買わない自分のための備忘メモとして書き始めたネタバレ記事だったのだが、「王家ネタバレ/最新号プリンセスあらすじ/」等の検索語でここに漂着され、なかには定期的に王家雑感記事を読んで下さっている方もいらっしゃるようである。私は日常で王家オタク話をすることは(滅多に)なく、ネットの気楽さが気に入って一介のナナメ読者としてここに雪隠詰めで好き勝手に書き散らしているだけなのに、ありがたいことである。ネットでばかり王家話をしているが、かつて私は書店で働いていたことがあり、ある日レジ打ちしていて「『王家の紋章』ってまだ続いてます?」と美貌の奥様から話しかけられたときはつり銭ひっくり返しそうになりました。え〜と、ワタシの顔になんか書いてありますか????カプターラブとか。。まさかねぇ。
当ブログ「豆の木」、いや「豆の山」王家雑感は、姫誌の連載が続く限り、今年もこんな調子で続きます(たぶん)。



月刊 プリンセス 2009年 02月号 [雑誌]【今月ネタバレあらすじ】
時空を超え、燦然と光り輝く愛の神話
黄金に等しい価値をもつ乳香を産出するシバ王国の女王の使者が、うやうやしくエジプト王へ捧げたのは、なんと王の来訪を請う招待状だった。一同の戸惑いをよそに、謁見の場に駆けつけた王妃キャロルは矢継ぎ早に使者を質問攻めにする。メンフィスは興奮気味の愛妃を苦々しく制止し、使者をねぎらいつつ返答は明日と時間をかせぐ。メンフィスが女王から招待を受けたことを知ったキャロルの興奮はさらにエスカレートし、メンフィスからシバ王国の情報を求められると、かつて本で読んだ女王ことを熱く語り始めた。「シバ王国には民が誇る美しい女王が君臨し、大海原を交易船が行き交い、砂漠を渡る隊商が東から西から立ち寄り、誰が建設したか偉大なダムが豊かな水をたたえ、幸福なアラビアとよばれていた」と……
キャロルの話に刺激を受けたメンフィスは、陸と海の交易地だという南の国に強い興味を持ち、ついに女王の招待を受け、自ら出向くと決心し、臣下にも宣言する。
王の出発は3日後、紅海沿岸にあるクセイル港より船出と決まり、王の周辺は慌しい雰囲気に包まれる。シバ王国の使者は一足先に女王に知らせを走らせ、王弟ネバメンは王の留守という事態にほくそ笑む。キャロルは侍女テティと伝説の女王の国の話題で盛りあがる。
夜も更け、出発準備がひと段落したメンフィスはキャロルと夕食を共にしながら寛いだひとときを過ごす。再度キャロルにシバ王国の話を熱心に乞うメンフィスの心には、まだ見ぬシバの女王への強い関心が膨れ上がっていた。「海の貿易路を押さえ 陸の交易を差配し 東西の商人たちを操る美しきシバの女王 どれほどにあでやかなる女王であろうか 会ってみたい」とメンフィス。その一言に、歴史ロマンに浮かれるまま語りきかせていたキャロルは我に返る。自分はもしやとりかえしのつかないことをメンフィスに薦めてしまったのではないか?キャロルの心に俄かに不安が兆し、思わず縋りつく。
謎めいた古代イエメンの砂に埋もれた王国が いま姿を現しつつあった―――

以下3月号に続く



【今月のお言葉】
豆食って イチヂク食って プラム食って ザクロ食って
いいかげん起きて神殿へいけよ みんなに嫌われたらどーするよ


*1


【定点観測記】
1.イラスト情報⇒見当たらず。
  最近「ラブラブ王家」中に「『イラスト集』をパワーアップさせるステキなアイデアを送ってね!!」なる他力本願告知文が載らなくなったところをみると、そろそろ企画が大詰めにきているのか、それとも元からコケたのか、色んな意味で気になる。

2.雑感
豆食って餅食って寿司食って煮物食ってみかん食って酒食らって寝ていた私に言われたくないと思うが、ネバよお前の野望はなぜそんなにセコいのだ。
「あの小さいナイルの姫がひとり残る その留守に……うまく立ち回り……なんとかこの大エジプトの将軍になれねぇものかなあ………」
王が国を空けるという大チャンス到来で、お前が狙うのは将軍の位かーーーーーーッ!!
例えるなら、回転すし屋のカウンターに座って20万円握り締めながら「さあ、何でも好きなもの奢ってやるから注文したまえ!」と吼えてる男みたいな(違う)
大エジプトの統治かフフフとかほざいてペルトを惚れさせた男前なお前はどこに行ったのだ。確かミヌーエの太ももにノックアウトされるまでは神官志望だったし。お前程度の将軍なら、慈悲深きファラオが死ぬまで三食昼寝付で養ってくれるから心配するなと小一時間問い詰めたい。
今月おしゃべりタイム上では、大罪人ネバ許すまじ路線と大罪人に堕ちてしまったネバにも救いをという対立路線のお手紙が大変に面白かったが、私が思うに、今のネバはただの頭の悪い小悪党でしかない。加えて顔はトカゲで、髪はおかっぱワカメ、性格はねたみ深く横柄でグータラ、しかも食べ方まで汚い大男。頼れる手下どころか、人がいい元囚人の給仕係しかいない。ネバがいま王宮でのほほんとしていられるのは、単に王様がお花畑な妻に夢中で、政府高官にあるまじき怠慢でマヌケな連中が揃いだからにすぎない。ネバは頭を巡らせて今の境遇にのし上がれたわけでもなく、ほとんど偶然の部分が大きい。にもかかわらず、ネバは自分のことをかなりの大物と思い、未来を甘くみている。ただし、ばら色の将来を夢見ているのはネバだけで、ラブラブ主人公たちには頭の上のハエほども気にかけてもらっていないというお寒い現実。読者としてはネバがどんな大望を吹いたところで、どうせこいつは成敗されるんだしどうでもいいやと終わりが見えてしまう。そのへんの不整合がネバメンというこの独特なキャラクターを一番つまらなくしている、と思う。どうせなら、船に乗っていたんだから、兄上、航海ならばそれがしお役に立てます!とか率先してメンフィスと一緒に紅海へ行けよネバ。そしてシバの女王と結託して海上で兄上をつらつらほにゃららして、乳香満載して涙ながらに帰ってカプターのハートもゲットし、正式な王位継承者(今なら第2位でしょ?)として名乗りを上げることだってできるじゃないか。で、最後はやっぱり返り討ちにあって幕でもいいよ。
なんで、ネバはああいうキャラなのか、切実に知りたい。


昨夜NHKの「マンガのゲンバ」でやっていた、「ガラスの仮面」の特集、ご覧になった方いらっしゃるかしらん。
私はたまたま見ることができたのだが、思わず声を出して笑っちゃうくらい楽しかった。やっぱマンガ読んでてよかったなと思う瞬間だ。作者を前に、泥饅頭一気食いシーンとか人形養成竹ギブスをあげつらってツッコミしまくるしまくる。センセも笑ってるし。ああ、あれを王家でやりたいのよ。智栄子センセを問い詰めたいんですワタシ。なんでライアン兄さんのガウンの柄はエノキなんですかーーーーーーーー!!とか。
それはさておき、美内すずえセンセご本人の語りは、以前に少女マンガ特集で見たことがあるが、話す内容に説得力とリアリティがあるので(まさに自分の血肉になって口から出ているという感じ)本当に面白かった。ご本人によると、休載が長いのでいろいろ取りざたされることもあるが、ご自身はガラかめの執筆を投げる気持ちは全くなく、最終回のシーンも台詞も十数年も前から全部決まっているそうだ。この話は前にも「The少女マンガ」の特集で聞いた記憶があるが、改めて作者の口から語られると感激してしまう。だって、すごいじゃない。あれだけの物語をあれかこれかとずっと作り続けてきて、ご自身の中で全くブレがないのだもの。そんで、ガラかめって連載再開するのね〜〜!!というか、1月26日に43巻発売だなんて(参照)今日初めて知った(汗)。

ガラスの仮面 43 ふたりの阿古夜 2 (花とゆめCOMICS)

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シオリーとマスミンの婚約パーティにマヤが遭遇したとこから続きでしたっけ?
去年の1月頃から映像が浮かぶようになって、描きたいと思い始めたそうだ。また休載もあるのかなぁ。東京発博多終点というのが最初から決まっていたものが、途中で在来線に乗っちゃってしまっているようなものですね、いま終点に向かって走っていると思っていいんですよね?と司会者にツッこまれて美内センセは苦笑していたが、私も気になる。しゃべっても面白い方なのは大阪の方だからかな〜あ、それを言うなら智栄子センセだって大阪の方なのだが。
ま、いいです。所詮は叶わぬ夢だもの(くっすん)。

あでやかな女王に興味深々のメンフィスに「ああ、よしよし、やっと君も大人っぽいこと言うようになったのね〜おねいさんは嬉しいです」と頭を撫でたい気分に襲われたのには、我ながら苦笑するしかない。今月号では、本当にメンフィスが本当に13くらいの少年に思えたので。
(ついでですが、「キャロル落ち着け無礼であろう」じゃなくて「失礼であろう」のほうが適当じゃないですかファラオ?)
自分は小学5年生の女の子が読んでわかる様に描いている、と美内センセは語っていた。
子供でもわかる世界と、子供しかわからない世界は違う。
ギャートルズな骨付き肉=ごちそう、という世界観の今の王家はおそらく後者に入る。
作者が意図しているのか、自然にそうなったのかは私にはわからない。
ただそれは、単にそういうふうに区別されるということで、物語としてどちらが優れているかという問題ではないとも思う。両者、読者の範囲は大きく違ってくるだろうし、あたいのようなナナメファンはおいてけぼり食らうわけだ。さりとて子供の世界を描きながら、今月号では、伝説の女王のロマンを夢中で語るキャロルは、メンフィスの興味の奥底に男の好色心を嗅ぎ取り嫉妬する。そのへんの描写は面白かった。愛と誠実と信頼で出来た砂糖菓子の世界にあっても、女は女の嫉妬心に最も共鳴するということだろうか。
メンフィスは港のクセイル砦までキャロルを伴うと言っているので、キャロルも一緒に行くだろう。クセイル港に出るにはコプトス経由で行かねばならない。コプトス、といえば二人にとって苦い記憶につながる地である。
そのへんがどう描かれるのか、それともなかったことにされるのか。
たぶん、なかったことにされるだろうなと予想してみる。
そんな私が共感するのは、痛みすら海のように心に秘めてしまう女なのだ。

*1:グータラネバにキレ気味なペルト氏