豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

 「シバの女王 砂に埋もれた古代王国の謎」

知人が犬を飼っていると聞き、名前を訊ねてみたところ「ヒミコ」と答えが返ってきたある日。

「はぁ、ヒミコちゃん。そりゃまた良い名前ですが、どういう経緯でその名を?」

「うちの犬は柴犬なのね。柴、即ちシバ。 シバ、といえば『シバの女王』と連想しまして」

「ははぁ。でも『ヒミコ』なんですよね?」

「ん、そこは日本犬だから。日本の女王といえば『卑弥呼』でしょう?」

なんてステキな連想でしょ。
もし私が猫を飼うことがあれば、たぶん『アマシス』とつける。又は純日本風な猫に『シャルキーン』とかつけて悦に入る。(つまりは雄猫しか飼う気がない、ということだ)。
確かアガサ・クリスティの小説のどれかに『ティグラトピレセル』という猫が登場したが、どんな猫だったっけ。

「王家」に登場したシバの女王は定番通り名無しの気配濃厚だが、本書によると列王記に登場する「シバ(シェバ)の女王」の名前は「ビルキース」というらしい。

シバ伝説はあるときは宗教的寓意として、また恋の物語として、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の三つの文明圏でさまざまな修飾と曲解をともないながら、今日まで生きている。

が、その史実性をめぐっては、さまざまな憶測がなされてきた。

本書は、シバの女王を捜しもとめ、世界各地の遺跡を訪ねた10年に及ぶ記録である。

ドキュメンタリー映画製作者だという著者らしく、男臭い砂漠走破行が生き生きと語られていて面白かった。