豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

必死剣鳥刺し


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なんだか焼き鳥屋のメニューみたいな題じゃなぁ・・・と思いながらチケットを購入。案の定館内観客の平均年齢層はかなり高い(隣席のおぢ様の口臭に耐えながら観た)。爺婆っ子のせいか、私は子どもの頃から時代劇がけっこう好きなので、今も邦画時代劇の未来のために年に一本くらいは観にいく。そういえば「たそがれ清兵衛」も「隠し剣鬼の爪」も「武士の一分」も「蝉しぐれ」も劇場で観たなぁ。今のところ藤沢周平の原作はあまり数を読んでいないのだが、どことなく昭和のサラリーマンの悲哀を漂わせるところが中高年に受けるのかなぁという気がしなくもない。ただ、時々女性の描写があまりにも男に都合よいというか、女の気持ちはそっちのけで男のナルシズムが強く臭うので微妙な気分になることがあるが、まぁそれは個人の嗜好というものか。
主人公トヨエツである。月代を剃ると、あの目が余計際立つ。彼が飛ぶ鳥落とす勢いだった頃(抱かれたい男№1だった頃?)、私はまるで彼に興味がわかなかったが、健康補助食品のCMでとぼけた味わいを出している最近のトヨエツは気になる。でもまだまだ往年のエロさは健在とみえる。ずばりラブシーンもあるが、諸肌ぬぐシーンで映る彼の背中の、こう、なんというか脂の乗りきった感じ(?)とか実にいやらしくてよろしいわ。
これも中年男の悲恋の話といえばそうなのだが、秘剣の炸裂する後半のチャンバラシーンが壮絶で(CGじゃなくて血糊がどひゃーっと!)手に汗握ってしまった。対戦相手が吉川晃司(「天地人」の信長ですな)。彼も時代劇似合うのでもっと出て欲しい。主人公が手にかける藩主側室の暴虐描写が苦しいとか、けなげな池脇千鶴ちゃんは和装のどーんとした後姿がよいとか、哀切なラストも含めてイロイロいいたいことはあるが、観にいって良かった1本でした。