豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

 醒めざらましを

ひさしぶりに、立て続けに懐かしい人の夢をみた。
いつの頃からか(ここ3年くらい?)、寝床に入るや垂直落下で寝入ってしまうせいで、近頃の私には夢を見たという記憶がない。時々、何か見たような気もするのだが、あまりにも茫洋とした記憶で形にならない。

そんななか、夢に2年前に他界した祖母が出てきた。
一度目は、50代後半か60代前半くらいの若い祖母を見かけた。
その夢ではなぜか祖母たちはどこかの観光地で集合写真を撮っている最中で、私がカメラの側から眺めているといったシチュエーションだったのである。サザエさんみたいな髪型もカチッとしたスーツ姿も、どこか昭和レトロ感が漂っていて、昔の色あせた写真を見ているような気がしたのを覚えている。ひょっとしたら、あれは祖母の昔のアルバムのどこかにあった一枚かもしれない。
祖母の顔は直ぐに見分けられたので、私は駆け寄って傍に立った。祖母は私を見ても笑わず、あれっと思って腕をとって寄りかかると、驚くほど生々しい祖母の体の弾力が伝わってきた。
そこで、ぱっと目が覚めた。ああ残念。
寝床の中で、あの肉の感じは、まさしく大柄でぽちゃっとしていたばあちゃんのだよなぁ・・・と呆然としていた。
人の記憶というものは、変な蘇り方をするものだ。

そして、その夢を見てから幾日も経たないある朝方、私はもう一度祖母の夢を見た。今度は、3年前に他界した祖父まで(声だけ)出てきた。
どうやら、私が祖父母に電話をかけているのだった。今はもう無人となった田舎の祖父母の家の居間の電話が、ありし日の空間でリンリンと鳴っているのが私にも見えたし、受話器を取り上げた祖母の弾んだ笑い声を聞き、祖父を呼ぶ姿も全部ありありと目の前で見えた。とても不思議な夢だった。

実は二人が亡くなってから今まで、一度も祖父母の夢を見たことがなかった。
私は筋金入りの爺婆っ子なので、せめて夢で会いたいな〜と願っても、こうまで出てきてくれないとなると、あの世(?)でも、祖母は祖父の世話で忙しいんだろうとか不憫になってしまう。
祖母が元気だった頃、「私が死んで、もしあの世があったら、あんたの寝ているところに来て足を触ってあげよわい」と冗談口調で母に言っていたらしい。残念ながら、母も私も今に至るまで就寝中に足を触られたことがないので、近頃ではやっぱりあの世はないんじゃない?と笑い話になっている。

母にこの夢の話をしようとメールを書きかけて、何気なくカレンダーの日付を見た私は、一瞬胸がドキンとした。

なぜって、夢に祖母が出てきた日は、祖母の誕生日だったから。

グータラ不甲斐ない孫娘が心配なのだろうか・・・。
ああババ不幸で申し訳ないなあと、さすがに凹んだとある朝の夢の話。