豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

2012年7月号月刊プリンセス 連載分雑感

【今月のネタバレあらすじ】
月刊 プリンセス 2012年 07月号 [雑誌]
アトバラの奥地にある大商人ゲブレの屋敷を発ち、エジプトへ帰還するメンフィス一行は豪雨に遭遇し密林のなかで立ち往生していた。
密林の中からエレニーが隙を伺うが、突如現れた大蛇に阻まれ、メンフィス王への復讐の機会を逃してしまう。メンフィスたちは何とか密林地帯を抜け、紅海へ通じる川へ無事たどり着いた。
一方、キャロルは、メンフィスの帰国の途についたとの知らせを受け、大喜び。
いそいそと「ハピ」に変装し、新都建設現場の視察に出かける。
大勢の労働者に交じり水汲み女として工事を間近で見るキャロルだは、工事現場でひとりはぐれて泣いている幼女を目に留め、傍にいた男が何も手助けしようとしないことに腹を立て、おもわず叱りつけた。実はその男こそ、キャロルの命を狙ってエジプトに密かに潜入中のトラキアのシタルケス王子。正体を知らぬまま、無礼な女に命令されたと激怒するシタルケスだったが、周囲の目を気にする側近たちに促されその場をしぶしぶ立ち去った。隠れ家に身を潜めたシタルケスは、怒りおさまらぬまま無礼な奴隷女を買ってやると息巻く。
そんなことは露知らぬキャロルは、水汲み女たちが、預け先がないばかりに危険な工事現場に子供を連れて来ざるをえないという現実を知り、話を聞かせてほしいと語りかけるのだった・・・

以下次号に続く。


【今月のお言葉】
そこの大きな男の人!
ボーッと立っていないで、泣いている子を見てやってくださいっ
あなたです!
泣いている小さな女の子の前で大男がボーっと何もしないで
なぜ立っていられるのです
*1



【雑感】

最新刊(57巻)は6月15日(金)から発売中〜♪
王家の紋章 第57巻 (プリンセスコミックス)
エレニーも大蛇も豪雨も全く役に立たんのぅ・・・シタルケスはまた喚き散らすだけかよ・・・とつぶやきながらパタンと閉じる。
別にメンフィスにどうにかなって欲しいわけではないが(極控えめに言って「なったら面白いのになぁ(ぼそ)」という程度である)、私が一番不満に感じているのは、最近の王家が因縁の対決を徹底的に避け続けることだ。
メンフィスはエレニーが誰かも知らない。そのエレニーがメンフィスの前に姿を現して「マシャリキ様の仇!」と斬りかかって、まあ一太刀浴びせれば御の字、仮に返り討ちにあってバッサリやられたら何か物語上支障でもあるのだろうか。丸太の如き大蛇も、もちろん元気なまま密林に戻って行った。君たち一体何しに来たの?メンフィスの認識って、せいぜいマシャリキ=家出嫁と一時行動を共にした平民レベルで、下手したら記憶にないのではないか。
砂漠の王が、密林地帯で豪雨や大蛇に遭遇し、キャロルへの「よいみやげ話になるなあ」と和んで帰るためだけの演出。本当にそれだけのために、こんだけのページを割いたのかと思うと、なんともはやいやいや。
キャロルが工事現場で母とはぐれて泣いている女の子を助けた際、傍に突っ立っている男に腹を立てて叱りつけるシーンも、はっきりいって余計なお世話以外の何物でもない。
確かに、幼い子供に対して大人は心遣いをすべきですネ。
はいはい。キャロル様の仰ることはまこと正論でございます。

で?


いつものお正しいナイルの姫君、なんてスバラシイとでもいいたげなシーン。
ナナメ読者から言わせてもらえば、正論だからと言ってそれを他人に強制して何になるんだろう。
シタルケスは小さな女の子が転んで泣いていようが、死にかけていようが、全く気にならない人間なのだ。彼が気にかけるとすれば、実妹タミュリスただ一人。それだけのこと。
とりあえず、自ら手を差し伸べて女の子は泣き止んだそれでいいじゃないの。
それでは飽き足らず、あなたは間違っていると糾弾し始めるヒロイン。
彼女を傷つける恐れのある要因は徹底的に排除されており、その高みから彼女は説教を垂れる。
何とも嫌らしい独善臭が鼻につく。辟易。辟易。
来月はもう少し心静かに読めるといいなぁ(読む気か?)

*1:王妃様