豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

 2005年1月号プリンセス連載分雑感

■今月のネタバレあらすじ


キャロルが逃げ出したと知り、憤激したアルゴン王は上流のユーフラテス河港(バルバリソッス)一帯の大捜索を命じる。王の様子にただ事でないと察したバザルは、奴隷番ブズルに対し王に先んじて金髪の奴隷娘を見つけ出せと命じる。そのとき、屋敷にバビロニアのラガシュ王が到着した。目当ての奴隷が逃げたとバザルに告げられてラガシュ王は激怒するが、アルゴン王も同じ目的で来訪していることを知り、友好関係にある手前、自らは下流側から捜索を開始しキャロルを手に入れようと目論む。いよいよただ事でないと確信したバザルは、両王よりも先に金髪の奴隷娘を連れ戻せと部下に号令する。一方、眼下におびただしい炬火が動くさまをとらえたメンフィスは、部下の報告を待ちきれず、バルバリソッス河港へ急行した。

その頃、崖下を通りかかった1人の農夫が、干し草置き場の上に倒れているキャロルを見つける。彼女の高熱に驚いた農夫は、自宅に連れ帰って看病する。キャロルは高熱に朦朧としながら、農夫に、そしてメンフィスに助けを求める。そこへなんと、農家から流れていた薬湯の匂いを捕えてあのハサンが現れた。「黄金のお姫さま」を確認したハサンは、容態が悪化するキャロルに必死で呼びかけるが・・・・・

⇒2月号へ続く


■感想


うむぅ・・・これは因縁大清算の時いよいよ近し―――ということなのであろうかのォ(と某宰相風に髭撫でてみる)。一年前にはこんなことになるとは夢にも予想せなんだわい。いやはや、このところ追いつ追われつの展開で私の好みじゃ。久しぶりにアッシリアの人面有翼獣ラマッスが表紙カラーで登場していて嬉しい♪

私としてはこのままするするといって、アルゴン王、メンフィス王、ラガシュ王で男まみれ@河岸三者面談シーンが見てみたい。というか、今回「なんとしてもナイルの姫を捕えて我が手でなぶり殺してやる」「恨み重なるメンフィス王に気も狂うほどの苦しみを与えてやる!」とまで啖呵切ちまった手前、アルゴンにも正統派悪役としてメンフィスとのGACHINKOなど希望してしまいます。

アッシリア城の決闘の興奮よ、もう一度でさぁ!!

やけにアルゴンちゃんてばカッコええやんか〜と思ってまじまじと見たら、今回の登場カット全てにおいて、あの横ベロが描かれておりませんね。ハハ〜ンてなもんだわさ。要するにあれでだいぶ漢(オトコ)指数下げられていたんだね。というわけで、ここで運悪くヤられちゃっても、アルゴンちゃん的には最上の最期だろう。これ以上舌が伸びないうちに退場するのが吉と思いますが、いかが。

そしてこの場合、ラガシュは高みの見物かなぁ。私はラガシュ王とメンフィスのチャンバラ見てみたいですけど、アイシスも近づいてるしいい機会じゃないの。少人数で来たもんだから分が悪いとみて下流から回り込もうという作戦立てちゃうところなんか、小狡い貴兄らしくてベリグー。ところで貴兄はいつから自称がわたしわしになったんでしょうか?アルゴンちゃんでさえ素ではおれどまりですのに?老成してるっていうか、それって爺むさい・・・・年下好みの奥方にこれ以上嫌われないうちに、御再考願えませんかしら。今回は、事情がイマイチ掴めないながら、損得勘定で脳みそフル回転中のバザルの言動もいかにも商人(=あきんど)らしけりゃ、そんな小物なんぞには目もくれず、己の獲物めがけて殺到する王様たちの個性も三人三様の描かれ方で面白い。臣下を従がえてババーンと立つ姿も久しぶりに王様っぽくてイイ(特にオムリと王様)。いつの間にかオバQ×3くらいに膨れ上がったバザルのブ厚い唇も・・・・・まぁよい(ラガシュ口調)。

 さて。

 ここでいきなりハサン&カレブが助っ人に乱入してくるとは思わなかったものの、そこはそれ。商人独自の情報ネットワークをつかってたどり着いたことを伺わせる二人のやりとり、加えていつもの状況説明くさいセリフがてんこ盛りなのが可笑しい。最近のハサンはまぎれもなくキャロルの崇拝者の1人に成り下がっちゃった気がするが、どの組織にも属さず、間諜まがいのこともやってのける風来坊の本領発揮シーンにも期待したい。おや、来たね来たね〜〜〜〜〜〜と嬉しくなった。


でも、わたしが一番ほろりとしてしまったのは、キャロルを助けた農夫のおっちゃんのモノローグだったりする。
バザルの屋敷から逃げ出した奴隷を捕えればほうびが出る、とおふれが回ってきた時も、バザルだんなは奴隷売買に手を染めているからといっておっちゃんは名乗り出なかった(同居人の息子はほうびにまだ未練があるっぽいが・・・)。どうやら、かつておっちゃんの妹が奴隷に売り飛ばされたかどうかした悲しい過去があるらしい。奴隷といえば、イリシュに捕まって売り飛ばされたフツーの商人のおかみさんたちは、その後無事におうちに帰ることができたのかなぁ(あの場合、私でも迷惑料&逃走資金として意地汚く金の皿の3枚くらいはちょろまかすと思う。余談。) はっきりいって、私はメンフィスやイズミルあたりの最高権力者がその権力を総動員して愛しい女を助け出そうとする行為は、共感するところはあるにせよ、立派なことだとか褒め称える気にはなれない。愛しくて大事な人がそんな目にあえば、人は誰だって助けたくてそういう行動をとるし、メンフィスたちは幸いにもそれが出来る恵まれた地位にいて、誰に邪魔されることもなく行動しているだけ。それに臣民の生命と財産を保護するのは、王サマの基本的な仕事だもの。そんなものよりも、こういう行きずりの名もないひとたちから差し出される好意のほうが、ずっとずっと得がたいもの、そして尊いものである気がしてならない。そういう訳で、セチ少年とセフォラ母さんは未だに私のアイドルなんだなきっと。


今月の煽りコピーに“人を信じること、人を愛すること、それが「王家」の永遠のテーマ!!”(「王家ナビ」の作者インタビューにも同趣旨の言及あり)とかかれているではないですか。

今更テーマねぇ・・・・。こういう風にテーマぶち上げるの珍しいな。いろいろ思うことはあるにせよ、そのテーマで貫徹されたうえで、はやいとこ〆てくだされば言うことはアリマセン。

ほんのり面白くなってきたので、次回にも期待。