豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

 「エリザベス」

エリザベスこのサントラは夜専用。どことなく闇と陰謀と血生臭さがプンプンするので、あまり昼日中には聴きたくないスコアである。でも好き。特にOverture のおどろおどろしさなんかたまらない。ダンスシーンに流れる古楽っぽいメロディも雅だし。昨夜TVを点けたら偶々どこかの局で放映されていて、ついつい最後まで観てしまった。1998年(99年か?)の公開当時、確か映画館で観たはずなのだが、改めて観直すと、そこかしこに今ではけっこう名前が売れている俳優さんがいるのに気づいて驚く。主役のケイト・ブランシェットはこの映画で一気に評価と知名度を上げた人だが、侍女のなかにエミリー・モティマー(「Dearフランキー」「マッチポイント」)がいるし、女王の恋人ロバート卿がつまみ食いする侍女はケリー・マクドナルドだし、法王庁が放った僧侶刺客は新007のダニエル・クレイヴだ!反女王派のアルンデル役のひとは、「オリバー・ツイスト」で悪漢やってたおっちゃんだし、フランスのマリー・ド・ギースはファニー・アルダンが迫力たっぷりに演じていて、その甥っ子アンジュー公爵やってるのはヴァンサン・カッセルだぁ…と目をぱちくりして見てしまった。
時代がかったゴージャスな衣装(デザインは「オペラ座の怪人」も担当したアレクサンドラ・バーン)と暗めのライティングのせいかもしれないが、なんだか舞台劇を見ているような気分になる映画だ。それにしてもなんだな、貴族男性陣はバストショットで写ると、さながらエリザベス朝の肖像画から抜け出たようでとってもステキなのに、カメラが引いて全身が見えるととたんに沈黙しちゃうわ。流行だったので仕方ないけど、そのカボチャパンツは・・・。まぁ、この作品中で私の一番贔屓、女王の懐刀ウォルシンガム(ジェフリー・ラッシュ)は、んなもの履かないから安心して観ていられるけど。こういう影のような黒幕補佐官(ついでに冷酷非情の切れ者)キャラに私はめっぽう弱い。史実は良く知らないけど、この映画のウォルシンガムは間違いなく両刀だろうなぁ。
そして、困ったことに字幕が相変わらず戸田さんのトンでも誤訳のままだった。私もこのことは、「オペラ座の怪人」誤訳騒動で知るまで全然気がつかなかったオメデタイ人間だが(このへん参照)、確かに、ここヘンだわ。このシーンは二股かけてた男(ロバート卿)が「君は僕のもの」とぬけぬけと抜かすのに怒った女王の言葉なのだからして、お前なんか男妾として飼ってやるから覚悟しろ(?)とか、まして男妾扱いされるだろうけど私にはあなただけいればいい〜とか言ってるわけではないのよね。

  • 「I will have one mistress here... and no master.( 私には男妾がひとり 夫は持たぬ)」

⇒正しくは「私が主人と呼ぶのは自分だけ。他の誰にも仕えない」*1


ん?あとこれも誤訳なのか?ラストシーンで、セシル卿の手をとって言うやつ。

  • 「 I have become a virgin.(わたしは処女になったわ)」

⇒余は聖母になった


フィルムに焼き付けた字幕って、直し様がないのかホントに!?
先日、豊洲でまたあの迷惑字幕つき「オペラ座の怪人」を観てしまったせいか(全く読んでないが)、今夜はなぜか頭にくる。


このサントラを捜して本棚漁っていたら、昔録音しまくったサントラMDが30枚近く出てきた。忘れてたのが一杯あるなぁ。最近ソニーからMD⇒デジタルデータに変換できるやつが発売されたらしく、ジツはすごく気になっている(笑)
【MZ-RH1 S Hi-MD ウォークマン】
MZ-RH1 S Hi-MD ウォークマン

*1:mistressはmasterの女性形