豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

 映画「グエムル〜漢江の怪物〜」雑感

グエムル-漢江の怪物- スタンダード・エディション監督:ボン・ジュノ
出演:ソン・ガンホ
   ぺ・ドゥナ
   パク・ヘイル 
   ピョン・ヒボンほか
2006年韓国映画
上演時間:2時間
原題:The Host ⇒公式サイト


【鑑賞メモ】
さすが「殺人の追憶」の監督。期待どおり面白かった。それに大いに笑える。「怪物」の初登場シーン、あまりにも自然すぎて思わず「え??」と声を上げてしまったのは私である。それからはもう、やたらバック転する怪魚グエムル君と、ヤツに愛娘を連れ去られた一家の濃い面々のト・リ・コ。ひたむきな家族愛が胸を打つとか、SARS騒動にインスパイアされた社会風刺も込められているとか、んな硬い事を言わずに、ただただ楽しむ。そこかしこで炸裂する不謹慎でも笑いたいという衝動と必死に戦い、ハラハラドキドキ、クスクス(?)しながら。でもちゃんと押さえるべきところは押さえられていて、例えばラストのソン・ガンホと少年の食事シーンはとても切なかった。
「子どもに仇なす獣は八つ裂きにするべし」という祖父の宣言どおり、一家の執念実り怪物は見事返り討ちにあう。怪物の誕生には在韓米軍が河に劇薬を流したことが関わっているらしいと、最初のほうでほのめかすシーンがあるのだが、そうするとあの怪物は人間様のエゴの被害者でもあるわけで、でも、そんな安易な同情論とか環境問題とか大局にストーリーが流れず、きっちり個人のレベルでシメずにいられないところが違うよな〜とか色々面白かった。「殺人の追憶」で、ぞくぞくするほど不気味だったパク・ヘイルが、今度はブチ切れたような学生運動家崩れの叔父さん役で大暴れしていているのも驚き。ぺ・ドゥナはやっぱヘンだ。そんなアナタ大好きだ。