豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

 買ってしまったぁ

わはははは。何を隠そう、私も買った。
ブツはこれでござる〜とご披露してみる。


まさにこれをジャケ買いというのだな。
帰国予定日の翌日、リベンジに挑んだ私と旅連れカレブ(仮)は朝9時に空港到着。ここであなたたちは「スタンドバイ」(つまり空席待ち。空きが無ければまた明日おいでとなる)と言われて蒼白になりつつも、「今日はたぶん大丈夫だよ〜」との地上スタッフの明るいコメントに一縷の望みを託す。靴まで脱がされる出国手続きを終えた私たちは、搭乗ゲート脇のロビーに張り付いた。緊張でトイレにもいけない待ち時間はどんどん過ぎ、出発45分前にやっと正式の航空券と引き換えてもらえたときは、かなりの脱力感に襲われた。
そして、やっと心の余裕が出来たので、何か雑誌でも買おうかな〜と売店スタンドのほうへ歩いていってこれを見つけたのだ。だからこれが私が買った最後のアメリカ土産なの(笑)。
あのとき、ふっと彼と目が会い、中身もチェックせずにふらふらと捕獲して帰ったが、よくよくみればこれが「Men’s Health」という男性誌ぢゃないのさ。キャッチコピーがMore Sex,Hotter Sex! というだけあって、中身はワタシにはふ〜ん、で?ってな感じのものばかり。「隣のお姉さんに訊きました。どうしたらもっとたくさんの女性と出会うことが出来ますか?」コーナとか読んで笑ってみる。まあいい。たしか値段は4ドルちょいだったはず。
カバーを飾っているのは、「怪人さん」ことスコットランド人の映画俳優ジェラルド・バトラーである。

この「The Phantom of The Opera」でワタシを通算50回(たぶん)映画館に通わせた男性と同一人物である。もともとガタイのいいひとだったけど、ここまで鍛えてしまうと、もう怪人さんジャケットは着られないねぇ……と苦笑い。


この雑誌のなかで128ページから6ページ分、彼の特集記事が掲載されていた。3月9日から全米公開になった彼の主演作「300」(日本では初夏、6月?公開→公式サイト)の宣伝も兼ねての記事らしい。役作りのためどんな筋トレをしたかというのが主な話題(らしい)。
この映画で彼はスパルタ王レオ二ダスを演じている。ペルシア戦争のなかでも名高い、紀元前480年のテルモピュライの戦いの総大将、漢(オトコ)レオ二ダス。一説には210万とも言われるペルシア軍をテルモピュライで迎え撃って獅子奮迅に戦い、300人のスパルタ兵もろとも玉砕した英雄王さまさまである。
前夜、ワタシもタイムズスクエアにある25スクリーンもある巨大シネコンで「300」を観てきたばかりだ。髪を黒く染め、髭をみっしり生やしたジェラルド・バトラーは緋色のマントを靡かせ、筋肉隆々の肉体美(でも革パン)を披露して、見事な王さまになりきっていた。彼は粛々と死地に赴き、大演説をぶちかまし、金色がかった画面の不思議な色合いと、迫力の戦闘シーンでワタシを圧倒した。


といっても、私が観られたのはラスト30分だけだったのだが……orz
事前にチケットブースで「300」の券を一枚買ったはいいが、ご飯を食べにブロードウェーをふらふらしていてつい別の芝居を観に近所の劇場に入ってしまったバカはワタシだ。
で、このときも芝居がハネたあと、ダメもとで映画館までダッシュしてきたのだ。
「これって、あと30分で終わっちゃうよ?」と不審顔の切符もぎりの黒人のお姉さん。
「ワタシあした日本帰ります!だからどうしても観たいのよ!」と涙目で訴え「じゃあ好きにすれば?」ってかんじで中に入れてもらった私は、9番スクリーンを目掛けてエスカレーターを走りあがった。シネコンの中なんて、結局どこも似たようなものだ。しかも、ここのシネコンは全席自由席ときた。私は扉を開け、そこでいちゃいちゃしているカップルに「エクスキューズミー(つーか外でやれば?)」とぞんざいな挨拶をしたとき、スクリーンに彼がまだ映っているのを確認して内心快哉を叫んだ。
どうやら間に合ったみたいだ。
隻眼のスパルタ兵士に、レオ二ダスが何やら形見の品を授けて戦場を離脱させるシーンだった。
「ははぁ。とすれば、ファ○ミア大将ことデビット・ウェンハムの役は忠臣蔵寺坂吉右衛門みたいなキャラか?」などと暗闇のなか一人首を捻るワタシ。
そろそろ目も闇になれてきたので移動することにし、前から二列目の隅っこに腰を落ち着けた。
それから、話はいよいよクライマックスのテルモピュライの戦いに突入し、ワタシはスパルタ女王の演説シーンでやんややんやの喝采を送る観客と一緒になって拍手してみたりする。はっきりいって、「300」を観たかったというより、私はこうして外国の映画館で映画を観てみたかったのだ。公開初週ということもあるのだろうが、ここのシネコンでは「300」は計4スクリーンで合計24回上映されていた。
街を歩いても こんなのや

こんなバスが走っていたり

こんなポスターが目に付く。

ちなみにこの夜景のポスターはタイムズスクエアのどまんなかにあった。すごいぞ怪人さん!と感涙にむせぶわたしである。今度はこの映画で男性にもブレイクするといいわねぇ怪人さん、と看板に不気味にほほえみかけつつ、私も町を流し歩いた。

話は戻って、「Men’s Health」記事のことも書いておこうか。
写真もけっこう載っていたが、これが爆笑ものというか、なんというか。なにせロープの端を握る上半身裸のジェラルド・バトラーとか、腕立て伏せしてるジェラルド・バトラーとか、天井の梁からぶら下がってるこれまた上半身裸のジェラルド・バトラーとか、なぜかトラックのタイヤ持ち上げてるジェラルド・バトラーとかマッチョな写真てんこもりなのだ。わっはっは。なぜそこでトラック?ステキだよ怪人さん。あなたのそのサービス精神(時に無駄に発揮しすぎていじられキャラな気がするけど)があたしは大好きさ。
やっぱり彼は目に曰く言いがたい引力がある。そうでなきゃ俳優としてやっていけないと思うけど、それにしても、彼の眼は格別私の印象に残る。何かに餓えているような、思いつめたあの眼差しが。そして、あのどことなく野獣っぽいところ。粗にして野だが卑ではないとでもいう個性は大事にして欲しいなと思う。そして、王さまとか戦士キャラとか死にネタに飽きたら、是非コメディをやって欲しいの。待ってるわ。



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