豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

 The New York Publick Libralyで彼を偲ぶ

NY到着三日目めの朝のこと。
「今日はどこ見物する?」とカレブに問われた私は、「ニューヨーク公立図書館を観に行く!」と即答した。カレブは商売人なのでウォール街しか興味を示さず「え”……よりによってなんでそんなとこが見たいのよ??」とかなり不思議がられる。
そーかそーか。おぬしは「BANANA FISH」を読んでないひとなんだな。んでは「スパイダーマン1」でピーターが宿題の調べ物に行くって嘘ついて(ホントは賞金目当てで賭け試合に出場するつもりだったのだが)ベンおじさんに車で送ってもらった場所といえばわかる?戻ってみたら、おじさんは××されてしまっててねぇ……って、ナニ?これもわからん。あっそ。

そういうわけで、池の表面に氷が貼るほど寒い朝、私たちはいそいそと散歩にでかけた。

ニューヨーク公立図書館
The New York Publick Libraly ⇒公式サイト
1911年に完成。
ガリレオのノート、ジェファーソンの“独立宣言”の肉筆原稿、コロンブスの手紙、グーテンベルグの聖書などを所蔵し、蔵書数は四百六十万点を超えるとか。ワシントンの国会図書館に次ぐ、世界屈指の規模を誇る。正面玄関前の二頭のライオン石像はNYのシンボル的存在で、有名な待ち合わせスポットだそうな。

入館者は入退館時に警備員からカバンの中身をチェックを受ける(といってもチラ見程度の、あっさりしたものだけど)。
ロビーからしてものすごく壮麗であるのに度肝を抜かれるのだ。日本の図書館も昨今どんどん身近になってきたが、それはあくまで使う側からの利便性を志向する面が強いように思う。私がよく利用する公立図書館では、ここは確かに漂っている「知識」というものに対する畏敬の念めいたものは感じない。内装もモダン一辺倒だし。この違いって、どこから来るんだろうね。
なんてことを考えながら、私は目当ての大閲覧室(三階)を目指す。
入ったとたん「うわぁ〜!」と溜息とも感嘆ともつかぬものが口をついて出た。

おそるおそる、机につっぷして寝てみたり(一瞬だけね)。
パソコンで調べ物だってできる。

そこにあるのは、外の喧騒とは全く隔絶した静けさだった。人の気配は確かにあるのに、あまりにしんと静まり返っているので、エイジが見たであろう後ろ姿が、もしや私にも見えるのでは……ってな気分になったりするのである。

NYくんだりまで来て、ワタシは一体何をやっておるのか。
個人的シュミに付き合ってくれた方たちに、ただただ感謝。



吉田秋生 「BANANA FISH」(全19巻)
Banana fish (19)