豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

月刊プリンセス2007年8月号連載分雑感

月刊 プリンセス 2007年 08月号 [雑誌]【今月のネタバレあらすじ】
ミノア王がタルシシの最期を知る人物を伴い来訪するという知らせを聞いて、ネバメンは焦りまくりペルトに当り散らす。一方、エジプト王妃とその取り巻きたちは、手作り御菓子の試作に夢中なのだが、そこへインダス王国で戦乱が起こっているとの調査報告がもたらされ衝撃が走る。国許にたどり着いたシンドゥ太子は象部隊を率い、王宮に迫り来る略奪軍を撃退せんと必死の防戦を試みていたが、とうとう王宮に火の手があがる。激しい戦闘のさなか、息子に何かを伝えようとしていたインダス王までもが胸に流れ矢を受けるに至り、インダス王国は滅亡せんとしていた……
⇒続きは9月号で。


【今月のお言葉】
オレいつかきっとお世話係になるぞ
姫さまをこの手で…抱き上げて…
オ、オレ…し 死んでもいいやナ
*1


【今月のはてな】
なんかあらすじ短いナ?と思ってページを数えなおしてみると、今月の連載は27ページしかなかった。作者柱コメントもない。先月号巻末の予告では「カラー34ページ」とあったので、今月は急遽減ページということになるんだろうが、こういう場合って雑誌の編集部や作者からは特にコメントしないものなのか〜?この雑誌以外のマンガ雑誌を読みつけていないのでよくわからん。今月は新刊(52巻)と公式ファンブックが同時発売されるので、おそらくはそっちの準備に忙しかったんだろうなぁとは推測つくものの(それでも「おしゃべりタイム」はあるのだワ…“今月はものすご〜くいそがしくて目が回ったワ”from自画像)、近所のスーパーならチラシの掲載商品に違いがあったら張り紙してるけど。。。などと王家連載ウォッチャーと堕した私は赤ペン握りしめながら新刊表紙チェックに余念なし。アルゴン王が表紙を飾るって何十巻ぶりだこりゃこりゃ驚いたねっと。
連載30周年記念王家の紋章公式ファンブック
王家の紋章 52 (52)そして例の「ファンブック」の発売予告も出ていたが、驚いたことに表紙と値段以外の情報がほとんど出てない。辛うじて「こちら編集部」なる投稿コーナーにて「キャラクターパーフェクトガイドやメイク講座、パートナー診断など『王家』のすべてを知りたいあなたにおススメのファンブック。52巻とセットでどうぞ」という短いコメントを発見。とするとやっぱりファンブックって「王家ナビ」の総集編なのか??私としては中にカラーイラストが再現されていたら記念に1冊買ってもいいかなぁと思っているのだが、売る気あるんだかないんだかよくわからん宣伝だ。8月号で目次ネタバレぐらいはしてくれるのかしら。
とまぁ、雑音的なことははておき、今月のカラーイラストだけは素晴らしかった(目つきの悪いメンフィスのガン飛ばし単独絵扉)。黒髪部分をベタ塗りせずに一本一本描き込んだ執念に圧倒されてしまう。ファラオってば、はっきりいって近年稀にみるイイ顔じゃないですかぁ〜と思って中身を開くと、このひとが奥方手製激甘ジャム(?)を舐めちゃったりするわけよ……と遠い目になってしまうわけだが。


ある程度次はこう来るな、と思っているとショックも少ない。
ええもちろん今月も催されますわよ「ナイルの姫さまと仲良し侍女たちのウキウキお菓子大作戦」
あま〜くたのし〜いお菓子教室のはじまりはじまりぃ〜
あろうことか王妃様はお菓子につけるジャム作りに挑戦なさり、男の人の味覚も必要だから〜とルカやハサンまで引きずり込んだあげく、ヘラで鍋をかきまわせだの蜂蜜を持ってこいだのとこき使う始末。ウナスは逃げたようだが(笑)
別にファーストレディー自ら手作りしないと国賓をおもてなししたことにはならない!というわけではないだろうに、ここまで執拗にキャロルが苦手な料理にこだわる気持ちが私には理解できない。国一番の料理人に腕をふるわせたら何かアナタにとって都合の悪いことでもあるのかね?王家は巷の料理ウンチク漫画の類ではないので、古代エジプト人が食べていた料理の雑学エピなど全然期待していないが……なんだかあの料理シーンを読んでいると、キャラの不器用にかこつけて食材を粗末に扱ってもあらあら楽しそう☆で許されそうなムードが私にはとても居心地悪し。ネバメンの育ちの悪さを示そうというのか奴の食べ方がやたら汚く描かれるように、キャロルの(そしてテティの)一生懸命さはあのクドイまでのドタバタで読み取れということなのか。だが、高価な蜂蜜を文字通り湯水のように投入してジャム試作するエジプト王妃が、食糧を求め略奪に走るインダスの内乱をどれだけ深刻に受け止められるか疑わしいものだ。テティの食意地ネタとドジエピソードはいわずもがな。自分の好きなものだけ集めて得意顔の公私混同侍女に対するキャロルの寵愛を見ていると、キャロルの周囲には集まるべき人が集まっているのだなとつくづく思う。
そこへメッセンジャーなメンフィス王がお〜いキャロルとやってきて、予言が当たったぞとインダスの戦乱を知らせて一気に話はシリアスムードへ。そなたの申したとおり、王妃さまがおっしゃったとおりになってゆく〜とな。どこまでもキャロルへの賞賛は止まないのか。深刻な事態を受けて、王妃のお菓子作りの情熱が少しでも湿ってくれればいいんだが、ミノスが来たらまた大宴会だからどうなることやら……ねぇ(溜息)。マカオーンがミノスの船底にへばりついてナイル河を遡上するかもとか思ってみたんだけど、アザラシタマちゃんの話は聞いても河に棲むイルカの話は聞かないのよね。あんなにマカオーン(胴体長ッ!)が慕ってくれているのに「この世でわたしは誰にも愛されはしない」と万歳ポーズなアトラスにプチ怒。どーでもいいことだが、インダス王の風貌とか服装がコレ(↓)にそっくりだったのには感動。こういう遺物からリアルな人物に描き出してみせる智栄子センセの筆さばきは、毎度すごいなぁ〜と感心するんだが、謎めいたダイイングメッセージはもうどーにでもしてくれとしかいえんな。

NHKスペシャル 四大文明 インダス

*1:報われない愛に絶望して白昼夢に耽るペルト