豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

 最後の晩餐候補


母ありがとう。
不肖の娘は感涙にむせんでおります。
「エビを送ったけんね〜開けたらすぐ剥いて冷凍するか茹でるかしなさいよ!」と突撃電話が来た翌日夜、クール便でエビ入りダンボールが到着。氷嚢はすっかり溶けてしまい、中の袋に入った生の海老も所々黒くなりかけているがまだ大丈夫だ!これならイケまっせ!
地元ではこのエビのことを「あらえび」(学名は知らない。そういえばどの漢字を宛てるのかも知らない。荒海老か新海老か?)というのだが、こちらでは見かけたことがない。というかわからない。私は伊勢海老よりロブスターより甘エビよりシャコエビよりもこのあらえびが好き!こっちのスーパーで売ってるエビといえば、冷凍のブラックタイガーとか、すでに茹でてある小さい赤いエビばかりだ。ブラックタイガーは自炊を始めた頃、大きい海老が珍しくてよく買って食べたが、そのうち飽きてしまった。なんつーか、どうやっても身が固いのだ。
実家ではこのあらえびをほとんど一年中食べていたような気がする。一番美味しいのは、やっぱ夏の朝に港で漁師が獲ってきたばかりのものを買ってきて速効茹で、湯気が上がっているうちに剥いで食べること。お昼によく食べたなぁ。どんぶり一杯くらい殻をつみあげて、同じく海老好きの妹と夢中で食べていたものだ。
茹でるとこんなかんじになる。まぁ、いくらクール便とはいえ生の海老は痛みやすくてちょっと黒ずんでる部分もあるが……いやこのミソがまた美味い。茹でている最中、台所に漂う匂いががらりと変わったのには驚いた。強烈に磯くさいマイキッチン。懐かしい匂いだ。茹でるときには塩も醤油も加えない。母は少しだけ醤油を使うが、私はただ茹でただけのほうが好き。まぁ、お酒はちょっぴり入れてもいい。母はどっさり海老を買ってくると、大きな鍋に水を張ってぐらぐら沸かし、やおらそこへ海老を放り込むのだ。そしてすぐ蓋をする。私もよく手伝った。鍋に蓋をしたとき、バチバチバチッという手ごたえが強ければ強いほど間違いなくとびきり美味しい。つまりまだ生きているうちに釜茹でにしてしまうのだ。イヤァードレミノフ(仮)さんてば残酷ぅ、と思ったアナタにも食べさせてあげたい。私がこの世で一番おいしいと思うものを。
そんなわけで茹でたてのあらえびを写真に撮ると、母と妹に送りつけ、その場で立ったまま食べた……。