DVD鑑賞
酷暑とかもろもろの疲れで新作映画もあんまり見る気が起きず、秋になれば……というかんじでダラダラ。
飲み屋のご主人が「良かったですよ!」とおススメしてくれたマイケル・ムーアの新作「シッコ」(公式サイト)はこないだ観た。後半のまず結論ありきの強引な欧米保険制度比較はどうかと思うものの、救済を求めて苦しむ人の声は私の胸をうち、社会派かつエンターテイメントなドキュメンタリー映画としてはなかなか面白かった。★★★。いつもながらムーア監督の不正への怒りパワーに脱帽。
以下、だらだらDVD鑑賞記。
「ハードキャンディ」 ★★
某怪人さんがマッチョに活路を見出すなら、某ラウル王子は癖のある役を好んで選んでいるように見える。この映画の彼はなんと小児愛好者!ネットで知り合った14歳の少女を家に引っ張り込んだはいいが、トンでもない事態に巻き込まれる。P・ウィルソン、「エンジェルズ・イン・アメリカ」に続きここでも迫真の演技を披露(そりゃそうだろう。男の危機だもの)。いやぁ、私、女の端くれとして、少女が選んだあの解決が正しいのか何とも言えないが、ただ復讐はあの年の少女には重過ぎやしないか。まぁあの少女の背景も謎だらけなんだけどね。後味も苦く、コワイ映画。
「ギャラクシー★クエスト」 ★★★★★
公開当時からすごく良い!!という評判は聞いていたんだけど、なぜか見逃して今頃チェック。すんげー面白かった。B級映画愛に溢れていて、それでいてわかるひとだけわかればいいいという驕った匂いがしないところが素晴らしい。ステキな映画だった。しばらくサーミアン星人の(吹替え)しゃべりとか、首の傾げ方とか真似してくすくす一人笑いしてた。トカゲ頭にウンザリしてるくせに家でも被ってるアレックス(アラン・リックマン)とか似合いすぎ。フェイクがフェイクを超える瞬間に人は感動するのだなきっと。観るなら断然吹替えがおススメ。テキトーでナルシストなブライト艦長(合掌)にお目にかかれるはず。
「仁義なき戦い」 ★★★★★
私が「ゴッドファーザー」が大好きだとしゃべったところ、じゃあこれも是非観なさい!「山守さん まだ弾は残っとるがよ」シーンの物まねを披露され、そのあまりの熱い語りにつられて借りた。そして観た。Mさま、すびばせ〜ん。ヤクザものだと毛嫌いしていた己の狭量を恥じますッ!。ちゃらら〜のテーマソングが鳴り響いて止まりません。確かにこれを観ずしてシネマせんよね。ヤクザものというよりは、終戦直後の混乱期の地方都市を舞台にしたバイオレンス青春群像劇なんですねこれ。梅宮辰夫兄、若すぎて最初誰だかわからず(笑)なんといっても「盃がないけんこれで腕切って血ィすすろや」と菅原文太とキスしあう(違)シーンのエロいこと、あたしゃ鼻血が出るかと思った。独特の広島弁もいい味だ(まぁ映画的誇張はあるみたいだけど)。私は最初のほうで文太兄ィがよくいう「こんなぁ〜」というのが何のことかわからず困ったが、どうも「お前」のことらしい。例えば、「鉄ちゃん(松方弘樹の役名。若い!男前!)、こんなぁ、こがぁなことしてもろぉて満足か?満足じゃなかろうが。わしもそうじゃ、のぅ」のように用いる。金子信夫演じるがめつく姑息な山守親分がとてつもなく魅力的で、個人的に一番のお気に入り。続きが観た〜い!全体的に異様な熱気を孕んで話が進み、登場人物たちみんな大真面目なんだけど、ふっとある瞬間すごく可笑しくなったりする。私はそういうのに弱いんだ。