あなたのいない世界
ひと月も前にあなたは逝ってしまっていたと
知らせる葉書が今日届きました。
最初、わたしは文面の意味がよくわからなかった。
だってそうでしょう?
ひょっとしてあれは別れの挨拶だったのでしょうか。
あなたは何事もひとりで決めるひとだから
わたしは敢えて踏み込むことはぜずにきました。
あなたはいつも
わたしのくだらない長話を微笑んで聞いてくれましたね。
もっとあなたの話を聞けばよかった。
あなたの胸の奥にある門をこじ開けるべきだった。
たとえあなたの微笑みに押し返されようと
やってみるべきだった。
サインは感じていたのに。
わたしは自分の逃げ腰を心から恥じます。
どうしてあなたのようなひとが笑って生きてゆけない?
こんな世界は間違っている。
絶対に。