The Oriental Institute Museum in CHICAGO
ヌビアが話題に出たので、一年前の旅行写真を引っ張り出してきた。
シカゴ大学構内にある小さな博物館「The Oriental Institute Museum」(公式サイト)を訪れたときのもの。
シカゴなんか寒いから絶対行かねーーぞとか言っていたはずなのに、ガイドブックでこの博物館の存在を知ると、ころっと気を変えてしまった私である。私が古代オリエント世界にハマッたきっかけとなった本「古代オリエントの神話と思想」を出版したのがこのシカゴ大学だったので、なんだか呼ばれている気がしたともいう。
市内でタクシーを捕まえ「おりえんたるいんすてぃちゅーとむーじーあむ!」と告げると、インド系らしき運ちゃんは怪訝な顔をし「そんなとこ知らんな〜」と言い出す。焦る私。運ちゃんは路肩に車を止め、いきなり電話帳みたいなものを引っ張り出し検索すので、私はますますどーしよーと途方にくれた。が、幸いすぐ「OH!」と見つけてくれ、南に向かってかっ飛ばし住宅街で迷いつつ約20分ほどで正面玄関前に送り届けてくれた。チップはずむから、2時間後にまたここにピックアップしに来てくれる?と頼むと、OKしてくれたので笑顔でしばしお別れ。
博物館遠景。
実はこの前日も玄関前まで来たのだが、休館日だったので諦めたのよね〜
ファサードの彫刻。大まぢめなのは判るが…なんかヘン!
「古代ヌビア展」開催中。このポスターがほ…欲しい。
古代エジプトコーナー入り口。この大きいひとは、トゥトアンクアメンだそうな。
この博物館は1Fフロア部分しかない小さなところなのだが、シュメール・アッシリア・バビロニア・ヒッタイト・エジプト・地中海沿岸地方・ぺルシア、とバランスよく名品が揃っていてとても見ごたえがあった。
これは測量器具らしい。トゥトアンクアメンの銘が入っている。
大工道具の数々。
サンダル。今でも履けそうなくらい編目もしっかり残っている。
これは籠かな?ひょいっと持って、今から買い物にでもいけそう。
ゲーム盤。蛇を象ったものと、双六みたいな盤(セネト)。
古代式寝台。私には絶対無理だけど!
古代エジプト貴婦人の肖像。
こちらはヌビアコーナーで見つけた、印象的な横顔。女性だと思う…。
外国人を描いたタイル。カナン地方の人かな?
これはヌビア人。
本物はテーベにある。トゥトアンクアメンがヌビアに派遣した総督フイの墓の壁画の一部らしいが、ヌビア貴族が貢物を持って来る様が描かれている。これをひと目みて「おお!」と感激したヒト。
何千年か前に描かれた一枚の絵からでも、人は物語を紡ぎだせるのであります。ええモーソーを。
もっと居たかったが、飛行機の時間が迫っていたので、ラマッス柄のマグカップ(中央の黒マグ)を急いで購入し、泣く泣く退館した。
あ、そういえばこのペーパーウェイトもここで買ったんだった。
入り口で私を待っていた運ちゃんは、このへんは住宅街だから客が全然つかまらなかったよ〜とブーたれ顔だったが、「ここには何があるんだ?(あんたみたいな東洋女が血相変えて観に来たがるものがあるのか?)」と質問が飛んできた。
感激覚めやらぬ私は鼻息荒く「えいしぇんといーじぷとだ!ぺるしあだ!あっしりあだ!どぅーゆ、あんだすたん?」と吼えると、「知ってる!」と笑ってくれ、更にわたしがチップを弾んだので機嫌よく市内まで連れてかえってくれたのだった。
また行きたいな、シカゴ。
でもさすがに3月のシカゴはムチャクチャ寒かったので、今度行くなら夏がいいなぁ。