豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

 ROME

そうかといって、クシャミで憂鬱な日々には何かしら心の潤いが必要な訳で。
目下のワタシのそれは、ドラマ「ROME」の鑑賞になるのかなぁ。去年の夏からWOWWOWで放送されていたのは知っていたのだが、もちろん加入していない我が家ではご縁がなく、最近レンタルが始まったのを知りぽちぽちと観てみた。「ROME」はHBOとBBCが共同制作したという歴史ドラマで、なんでもTVドラマとしては破格の制作費が投じられたらしい。


話は古代ローマ史上最もドラマティックな「賽は投げられた!」のあたりから始まり、共和政の崩壊から帝政の誕生までを描くんだそうな。愛と裏切りの一大叙事詩、とか謳っているが、基本は昼メロ調である。愛と欲望の爛熟ローマ万歳におカネかけまくっている。なにしろカエサルが好敵手ポンペイウスを破ったファルサルスの戦いを、1分そこそこでちゃちゃっと済ませてしまうんだから驚きましたよあたしゃ。この先、フィリッピの戦いではさすがにスペクタクル戦闘シーンをちょっとは見せてくれるみたいだが(YouTubeでちらっと確認)、アクティウムの海戦は、どーすんだろー。いや、別に海戦なんかスルーしたってクレオパトラが蛇に乳を噛ませて死ぬシーンがあれば文句も出まいが。それを言うなら、あの垂れ目なところが愛らしいこのドラマのクレオパトラは、私が今まで見馴れていた数々のグラマラス・クレオパトラの真逆をゆくキャスティングなのが新鮮。カエサル(シアラン・ハインズ←彼はカエサルというよりウェルキンゲトリクス顔だと思うわ)がクレオパトラをひっぺがすシーンで、ワタシは泡を噴きそうになった。確かに年の差はあのくらいだが、まるで少年のようなクレオパトラってありなのか……いやまぁ、確かにコケティッシュな魅力はあっていいなぁと思うけれども、あれ、蛇も困るんじゃ。そしてアントニウス役のジェームズ・ピュアフォイ(「A Knight's Tale(ロック・ユー)」 の黒太子)は、隙あれば脱ぎまくりで酒乱色欲大魔王とか言われてるわ、プッロに連れられて娼館に出かける若きオクタビアヌスは「マスター・アンド・コマンダー」に出ていた少年海軍士官君だった。あんなに可愛かったのに嗚呼!
と、いうわけで、本ドラマにはカエサル、アントニウス、オクタビアヌスにキケロにブルータスにクレオパトラ。古代ローマ共和政当時のスターが沢山登場している。
が、しかし、このドラマの主人公はフツーの庶民二人である。カエサル配下の百人隊長ヴォレヌスと、そのまた部下のプッロ軍団兵。二人とも優秀な兵士なのだが、ヴォレヌスは謹厳実直な愛妻家、対するプッロは愛すべきちゃらんぽらん男。この二人が互いにブツブツ言いながらも、だんだん友情を育んでゆくのが見ていて楽しい。表舞台ではカエサルが独裁者となってゆくなか、カエサルを取り巻く上流階級女性たちの優雅で血も凍る対決が繰り広げられ、そこへ主人公二人の有為転変がうまく絡んでくるのが面白い。戦場暮らしが長すぎたヴォレヌスが奥さんとギクシャクしたり、退役すれば再就職で苦労したり、元上司にスカウトされて政治家に転身してみたり、プッロは転職に失敗してゴロツキから凶状持ちとなり、カエサルは暗殺されるやら、その他いろいろあって、ヴォレヌス一家は離散……そして今日観た回では、ついに二人してローマヤクザ(?)の元締めみたいなことになっていて、奴らの抗争相手はあろう事か公衆便所で用足し中に襲われ、便器に逆さに突っ込まれた挙句暴漢どもに○られていた。おぃおぃおぃである。第13軍団の誇りとやらは何がどーなっちゃうの君たちは!!裸もポロリも流血も死体もペケペケシーンもR-15てんこ盛りなのはそろそろ馴れてきたが、このドラマって、ヴォレヌスとプッロの熱き友情の物語……と信じていいんだろうね?

ROME[ローマ]コレクターズBOX
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YouTubeで面白いものを見つけた。
舞台&映像上のクレオパトラたちを、「ROME」のテーマに乗せてどーぞ。