豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

 渋谷で西アジア遊牧民の暮らしを見るの巻

代々木⇒明治神宮⇒原宿⇒渋谷公会堂 へ抜ける。
いい加減お腹が空いた。しかし、適当に食べられそうなカフェがない。代々木公園前にずらりと並んだ屋台も捨てがたかったが、ぼったくり値段に涙を呑んでガマンする。んで、とうとう渋谷まで来てしまった。ふと目についたアイス専門店(参照)の看板に魅かれて飛び込み、シャリシャリの牛乳アイスを一気喰いして人心地。ああーこんなことしてたらますます花嫁衣裳は誰が着るになるんじゃねーかとか、ブツブツ。それから某○だらけに向かって歩きかけ、ふとこれまた目に飛び込んできた看板の写真魅かれてふらふらと「たばこと塩の博物館」へ入る。

■たばこと塩の博物館⇒http://www.jti.co.jp/Culture/museum/WelcomeJ.html

◎企画展 5月6日迄開催中 
「丸山コレクション 西アジアの遊牧民の染織 塩袋・生活用袋物とキリム シルクロードの彼方から」
http://www.jti.co.jp/Culture/museum/tokubetu/eventFeb08/index.html


入館料100円で、日本と世界の塩とタバコの歴史が学べる。
でもなんで「塩とタバコの博物館」で、西アジアの遊牧民企画が?と思ったが、どうも遊牧というのは草と水を食べさせておけばOKというわけじゃなくて、塩も与えないといけないんだそうで。動物は本能的に自然界で塩気がある場所を察知し自力で塩分補給もできるそうだが、その一方で人間から塩がもらえると認識したら、離しておいても飼い主のところへ帰ってくるらしい。遊牧民はそうやって家畜をコントロールするんだそうだ。
そのための「塩袋」というものを彼らは持っている。今回の企画ではそういう遊牧民の生活に密着した袋物等を展示してあるということだった。
4階の企画展示室に入ったとたん、室内にあふれる色彩に目を見張る。
古い織物だと100年も前に作られた袋があったりする。何しろ色がいい。私は染料の専門的なことはよくわからないが、草木染だとなんというか色目が全体的に優しげなかんじ。植物や鉱物を原料に、ほとんど手作業で染めて、織るんだそうだ。そうして出来上がった糸はたいてい暖色系でしかも色あいが尖ってないというか。茜色と藍色の糸だけで織り上げた絨毯の華麗さよ。そして古いものほど、深くこっくりした色になっているように見える。部族ごとに模様に特徴があったり、その中でも織り手の個性が出ていて同じものは二つとない。牧童が持っていたという小さなポシェットなど、縞々の色目も房がいっぱいついたデザインもキュートで可愛いったらない。こんな可愛いのを、羊を連れた髭のおじいさんが持っているのかと思うと身もだえしてしまいそうだわい。
しかし残念なことに、部族ごとに独自の技法が伝えられてきたこれらの袋物も、段々と安いナイロン製のバッグにとって代わられつつあるらしい。大事に使われ、あちこちにこすれた痕の残る袋物・敷物たちを眺めながら私はとても寂しかった。