豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

ダークナイト

The DARK KNIGHT監督:クリストファー・ノーラン
出演:クリスチャン・ベール ヒース・レジャー マイケル・ケイン ゲイリー・オールドマン モーガン・フリーマン マギー・ギレンホール アーロン・エッカート
2008年アメリカ映画 上映時間2時間32分
原題「THE DARK NIGHT」⇒公式サイト
【鑑賞メモ】
長いよ。ラスト20分くらい、まだあるんかと陰鬱なため息が出そうになった。アメコミなのに主人公の眉間には深々と縦じわが刻まれっぱなしで、気が重くなることこの上ない。哲学的というかなんですかこの超悲観主義は。「人間の本性はまぎれもなく悪である」「どんな高潔な人間でも悪に染まる」「人間は幻想に生きる」という自説を証明せんとしてこれ作ったんですかと聞きたくなるほどねちねちドSな展開が続くのであるからして、アクション映画ですきっと気晴らしするぞイェ〜とか到底無理。「バットマンって大人の映画になっちゃったね〜」と隣席のお兄さんがぽつりと言ってたのに激しく同意。前作「ビギニング」も観たが、ブルース坊ちゃまと執事アルフレドの微笑ましきラブラブシーン以外綺麗さっぱり忘れている私は「あれ?ゲイリー・オールドマンこれ出てたっけ?」などと寝ぼけたことを思ったりする。ヘンなコスのせいで忘れてたけど、バットマンって中身は普通のひとだったんだ〜コウモリに噛まれて特殊能力に目覚めた男と誤解していたよ(それはクモ男だろう)。
しかし、全編通して異様な緊張感が持続するのはすごいなと思う。「世界が燃えることを喜ぶ輩」ジョーカーを演じるヒース・レジャーの狂気に目が釘付けになってしまった。パンダピエロメイクなのにあの迫力ってどうよ。しゃべり方といい肩を揺らす独特の身振りといい、ジャック・ニコルソンを思い出さずにいられなかった。惜しい、惜しい、惜しいよヒース。もっともっとあなたをスクリーンで観たかったと今日ほど思ったことはない。最愛の人を奪われた「光の騎士」アーロン・エッカートのダークサイドへの落ちっぷりも実に魅力的であった。私はラストシーンのバットマンの「誤解」が残す余韻が好きだ。あれをこそあはれという。


以下余談。
新宿ピカデリーでこれを観た。新しい映画館ではだいたい大きなスクリーンを試してみることにしている。たいてい最新の音響を入れてあるから。1番スクリーンは重低音がものすごく鮮やかだった。5番などお話にならない。なにしろ銃撃シーンでは、私のズボンの裾がパタパタ鳴る音が聞こえる経験というのは初めてだ。逆に言うと、あまりにも重低音が響きすぎるので、体調不良の時はダメかもしれない。あと、ブランケット準備少なすぎ〜〜特に夏は入口にどかんと積んでおいて欲しい。