豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

 青のミイラマスク

去年から絶対見に行こう行こうと思っているうちに、あっという間に時間は過ぎてしまった。
とうとうこのたび日本で最後の公開になる!という脅し宣伝に急き立てられ、慌てて連休に池袋の古代オリエント博物館(公式サイト)Ancient Orient Museum, Tokyo 古代オリエント博物館に駆け込む羽目に。


吉村作治古代エジプト発掘40年展」(公式サイト)


予想外だったのだが、9月28日で終了になるせいか、館内は非常に混雑していた。何しろ、小学生親子連れが多くてびっくりだ。なんだろう??どこかでミイラがブームなの?だってミイラだよ?ぽにょとかのほうがかわいいだろ?
だいたい古代エジプト展なる催しなどあると、どこもかなり盛況だが、客層はいい大人ばかり……というイメージが私の頭にあったせいか、午後3時に入って、その盛況ぷりに驚いたのである。まあ、連休だし、池袋サンシャインの中という場所柄もあって、この博物館独特の親しみやすさがあるのかもしれない(そういえば、昔ここの展示で古代エジプト女性風ヅラを嬉しそうに被って写真撮ったりしたっけ……)。


まずはミイラマスクが見られる〓と思って行ったのだが、「早大発掘隊40年記念」だけあって、写真でしか見たことがなかった遺物の本物が出品されており、私はかなり楽しかった。
もちろん、目玉である「セヌウのミイラマスク」は美しかった。
マスクの真横には、複願された本人像が並べて置かれてあった。私はしげしげと両者を見比べ、製棺職人はこのゴツいおっさんをよくぞここまで少女めいたロマンチックな顔立ちに修正したもんだと、不敬な感慨を抱くのであります。だってー別人だろうこれは。じゃなきゃ、彼が生きた時代(中王国時代:約3500年前)には、こういう夢見るような若い顔立ちが理想だったのかしら、いやいや、モデルにはもしや職人の萌えが入ってるかもよ云々と埒もないことを考えてはニヤニヤしている変な見物客と化す。そして棺の外側に描かれたウジャトの眼が、ミイラの頭部分ではなく、足の側にあったことが謎だというビデオ解説を見ては、「だってホラ、寝ている時は足元に窓があったほうが見やすくない?」などとモノグサならではの似非推理をしてみるのだった。


気に入った品

  1. カエムワセト王子(ラムセス二世の息子)&隼神の横顔浮き彫り

 ううううう美しいではないかーーーー

  1. 「アマシス王の銘入り」ハトホル神の顔がついたシストラム

 出たな、アマシス!ヘロドトスのおっちゃんが書いた「歴史」に登場するエジプトのファラオのなかで、個人的にこよなく愛する御方の名を目にして欣喜雀躍。

  1. アメンホテプ3世のウシャブティ(部分)

顎しか残っていないのだが、口元がとても美しいんだな。

  1. アメンホテプ3世の王妃のウシャブティ頭部(2体)

なぜか解説には名前が書かれていなかったが、アメンホテプ3世の王妃といえば、ティイ王妃だろう。ウシャブティの顔はあの有名な彫像に、顔立ちがどことなく似ているなあと気がついたとたん、なぜか背筋がゾクッとした。これらのうち、片方は、カーナボン卿が所持しているウシャブティの胴体部分にぴったりと嵌ることが確認されているそうだ。


  1. 「魚の丘」彩色階段の模型

早大発掘隊が初めて掘り当てた遺跡。タルシシみたいなヒゲ男(西アジア人)と、タヒリ王妃の召使みたいな黒人(ヌビア人)と、あともう一人のシリア人の男が後手に縛られた姿で、階段に描かれている。神なるファラオは彼奴らを踏んであるいたわけである。模型を眺めながら、階段を踏みしめながら降りてくる某王様の幻を見たような気がした。



グッズコーナーは商売気満々であったが、ついうっかり「ヒエログリフスタンプ」なるものを購入してしまったーー。

dreamynovをヒエログリフで書くと、こうなる?
やや?向きが逆だったかもしれない。書記にはなれそうもないな。



吉村氏はじめ真摯なる学究の徒の皆さまの情熱のおかげで、ミーハーエジプトファンな私も愉しませていただいているわけでございます。草葉の陰から応援しております。