豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

 ガン病棟のピーターラビット

我が家のビデオがただの置物と化して数年たつが、このたびテレビまでがおかしくなり、衛星放送がうまく受信できない。この4月からグインサーガがアニメ化されてたので、第1話をネットで無料視聴してみたが、自分でも意外なくらい郷愁に駆られた。あの双子と豹頭の戦士の辺境冒険譚は本当に面白かったよなぁ…としみじみ思う。アニメのグインは、適度におっさんぽいのがよいな。でも、私のイメージは加藤画伯のグインなので、もうちょっと精悍なイメージ…双子はあんな感じ。レムスの腰抜け具合と、勝気なリンダもいい。ファンの間でも「最も面白い箇所はどこか論争」では評価が分かれるらしいが、私の好みは黒曜宮に陰謀渦巻くケイロニア編まで。グインがシルヴィアとダンスするあたりで終わりでいいやんと思っている。

豹頭の仮面―グイン・サーガ(1) (ハヤカワ文庫JA)

豹頭の仮面―グイン・サーガ(1) (ハヤカワ文庫JA)


私が原作を夢中で読んでいたのは、十代後半〜二十代前半時期で、今も120巻を超えて続いているこの大長編を現在は全く読んでいない。あのナリスが地の塩たちへの共感する心境にたどり着いた場面で、ああ、あれほどナリスに自己投影していた栗本さんがここまで書いたなんて、見るべきほどのものはすでに見つ、てな気分になったからからでもあるし、その後に続いたシルヴィアへの仕打ち(敢えて仕打ちと書こう)に我慢できなくなったからでもある。
そんなとき、最近になってグインアニメ化関連で、原作サイドの情報に当たっているとき、彼女の近況を知った。奇しくも、私の母と同じ病気と闘っているというのに驚き、しかも闘病記が出ているというので読んでみた。
ガン病棟のピーターラビット (ポプラ文庫)

ガン病棟のピーターラビット (ポプラ文庫)


が、正直に言って、この本は読むのがかなり辛かった。全然変わってないな、というか、私が離れる原因になった濃いぃ自分語りがますますどろりとしてきたなという印象。エッセイなのかこれは?なんというだらだらしたお喋りだったことか。一部共感する部分もないではないが、自分の今の境遇を肯定したいあまりか、食べ物の好みにせよ、入院中のファッションたの化粧の有無だの必死になって価値観の違う他人を哀れむようなトーンのお喋りは、さすがに聞き苦しい。でも書かずにいられないのなら、これはもう業というべきか。