阿修羅に会いに行く
先週土曜、出かけたはいいが50分待ち、というのにびびる。
閉館間際の方が空いてますよ、と誘導係氏のアドバイスに従い、ちょいと迂回してみる。上野公園界隈は今まさに新緑が吹くように伸びている時期で風も気持ちがいい。
すぐ近くに上野奏楽堂があったので見学に入る。日本で初めて建てられた西洋式音楽ホールなんだそうな(老朽化して取り壊し案が出ていたのを、音楽家有志による保存運動が起こって助かったという)。古い校舎の匂いがする。小学校の時取り壊された木造校舎を思い出す匂いだ。
滝廉太郎が演奏したというホールで、ひとりぽつねんと座ってみたり。
結局、阿修羅には3時頃、20分並んでお眼にかかれた。
修学旅行でお眼にかかったことがあると思い込んでいたのだが、よくよく考えてみると、初対面であった。東大寺には行ったが、興福寺までは行かなかったのだよ。あそこの鹿に地図を喰われたし。
阿修羅の周囲はものすごい人だかりだったが、ガラスケースなしで360度舐め回すように見学できるというのは確かに得がたいチャンスだ。角度によって、はっとするほど表情が違って見える。右の面は、ある角度だけすごく美男子に見えたりする(ていうか、某赤壁の趙雲に似てるんだこれが!)。
でも、もしかして、見えたと思った感情すら、そういう風に私が見たいと願っているからにすぎないのかもしれない。