豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

 懐かし細川マンガ

シシーさんから戴いたコメントへのレスです。
書き始めたら長くなったので、独立カテゴリーに移しました。
元記事はこちら⇒http://d.hatena.ne.jp/dreamynov/20061011

いきなりここでのコメントで失礼します。
最近の王家のグタグタぶりには、頭痛と溜息が出るばかり。
その反動か、昔の細川マンガにはまっています。その急展開、ありえねー設定、キャラたちのぶっとび行動に笑いがこみ上げるも、妙なトキメキ感がたまらない(笑)ハチャメチャ強引な世界なのですが、勢いで読ませる「磁力」があります。今の「王家」はその面白さがありません。何が違うんでしょう? 作風はそう変わっていないと思うのに。作者さまの「楽しんで描く」気持ちの有無でしょうか。
ところで「愛の泉」って加筆修正してますよね。古〜い絵の中で時折チラっと描いてある発行当時での新しい絵。(時にウスズミつき)それがおまけって感じで嬉しい。(笑)王家や伯爵令嬢の何巻ぐらいの絵だろうと、推測するのも楽しい。愛の泉の4・5巻の盛り上がり方は圧巻です。キャラたちがすごく立っていますよね。
 でも、朝子とジュリオ皇太子のラブラブハッピーエンドのラストページはほんとに理想的なんですが、ジュリオの激太黒眉は濃すぎです!(笑)
…「永遠に愛を…」の頃の描き方だったらちょうどよかったな。この時期の絵が個人的に好きです。
若き皇帝のくるくる金髪巻き毛はおいといて(笑)「陛下」と呼ばれる者特有の威厳が発せられてかっこよかった。「永遠に愛を…」も加筆されていましたが、このあたりに作者様の思い入れが感じられましたね。挿入されたその絵柄もほんとに綺麗で……。皇帝とユリアのカップルも、そのお話も雰囲気も素敵でした。
 細川ヒーローって根本的に強引熱血、ゴーイングマイウェイ。
でも恋人を優しく抱きしめるシーンが多いんですよね。

今の王家の惨状を見るにつれ、昔日の細川マンガの魅力が懐かしいです。
長々とごめんなさい。


いやいや、私も昔の細川マンガ(特にグランドロマン系)はけっこう好きですので、有難く拝見しました。
すっかり「愛の泉」ネタバレするする詐欺ブログになってますが(汗)、「愛の泉」は4巻末〜5巻まで我慢しなきゃ面白さがわからん!という厄介な作品なので、あらすじまとめも気合が入らない気配あり。。
久しぶりに3巻あたりから読み直しましたが、やっぱ面白いじゃないかコレ!とのたうちまわっておりました。
まぁ、面白いといっても王家より更に時代がかった絵柄ですから、王家にファンですら全面支持されるわけじゃないとも思うのですが、ありえねー展開、ぶっとび行動がお約束の細川マンガ愛好者としてはおススメしたい一品ですね。特にラストの叛乱と疫病に揺れるオーストリィ編は引き込まれちゃいます。私はヒロインヒーロー引き裂かれ、困難に立ち向かうという路線が好きなので。何度読んでも、ヒロインに「私が間違ってました」と言わせる懐深さに涙が出そうです(笑)「愛の泉」の朝子は、どちらかと言うと気の優しい従順なヒロインですけど、あの薄さが周囲の濃さ(クドさ)には合っている気がしてきました。シチュエーションで転がす話ですから、自己主張の激しいヒロインではバランスが悪いんでしょうね。

ハチャメチャ強引な世界なのですが、勢いで読ませる「磁力」があります。今の「王家」はその面白さがありません。何が違うんでしょう? 作風はそう変わっていないと思うのに。作者さまの「楽しんで描く」気持ちの有無でしょうか。

う〜ん。あの馬力、コメント、万年一日の主人公絶賛路線を見ると、今の路線も十分楽しんでいらっしゃるんだろ〜なあと思うんですよ(邪推かもしれませんが)。
あえて理由を探すとすれば、その楽しさも「王家ワールド」から出ないとなると、もしかして(言い方は悪いですが)自家中毒のようになっているのかな。
創作の結果が受け入れられる喜びには確かに中毒性がありますが、お馴染みの世界を描いて受けいれられるのと、ゼロから作り上げた世界が受け入れられるのとでは、また違った工夫が必要になるんじゃないのかな〜と素人ながら考える次第です。
現在、というか「伯爵令嬢」の連載が終わって以降、細川センセは「王家の紋章」しか描いてません。
今回、智栄子センセの作品発表年譜を調べてみたのですが、「愛の泉」や「永遠に愛を・・・」を連載されていた頃は、並行してではありませんが、一年に何本かは違うお話を描いてらしたようです。
個人的憶測でしかありませんが、現在のマンネリにも、そのへんの事情が微妙に影響しているのかもしれませんね。(このへんをご覧下さい
私なんかは飽きっぽいほうなので、ずっと同じキャラで同じ時代で同じ舞台の話を考え続けるなんてすごいエネルギーだと尊敬するしかないのですが。


加筆箇所は気がつきませんでした!今でも王家連載を文庫化・単行本化するときはマメに手を入れているらしいですが(単行本化に時間がかかるのはそのせいですかね)、昔からそうだったのですね。

「永遠に愛を・・・」も読み直してみました。
私が持っているのは2000年12月号付録ですので、これもちょっと加筆されているようです。
初出は1977年ビバプリンセス秋の号。王家の連載が始まって、1年くらいした頃に発表された作品ということになるでしょうか。私もこれは好きな作品です。絵柄も線描が細く流麗で、ロマンチックな作風に似つかわしいです(皇帝のふわふわ巻き毛が綺麗です)。ユリアが父を苦しめた張本人が愛する人だと知って苦しむあたり、愛と情に引き裂かれるあたりがとても切ない。ラストも見事な赦しと再生の物語に昇華していて、たった100ページというのがまた素晴らしい。単行本化されないのが残念です。
「春の日に愛を」「あこがれ」「まぼろしの花嫁」と読み終わり、ヒーローが優しく恋人を抱きしめるシーンの余韻に酔いつつ、今宵はこれにて。
長々とおつきあいいただきありがとうございました。