豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

 宝塚(花組)「虞美人」in 東京宝塚劇場

1年ぶりに再び花組を観に行きました。
太王四神記」以来(参照)の、久しぶりの東京宝塚劇場でしたが、去年はあれを観た直後に身辺イロイロあったことを思うと、赤絨毯の階段を上がりながら、ああまたこうして舞台を観に来られてよかったなぁ、とヘンな感慨が沸いてくるのであります。
この日の連れは3人。前回同行者あーさん及びあーさんのお嬢さん、転勤先から合流したつぇーさん、そして私。
私がしばらく遠ざかっていた間、あーさん母娘とつぇーさんは何度か花組ほか他組の公演を観に日比谷に足を運び、あれが良かった、これも面白かったと、すっかりハマっている様子。3人はじぇんぬさんのお茶会なるものにも参加していたとか。ヅカ初心者の私は「お茶会って何ですか?」と尋ねたりするのですが、要するにじぇんぬさんとファンの交流会みたい。お茶とお菓子で歓談するそうな。一緒に写真とったり、個人トークが聞けたり、ファンには嬉しいものなんでしょう。スター級のじぇんぬさんになると、会場もグレードアップし、かなり大規模なものになるそうです。

それはさておき、今回の演目は「虞美人」。
 
東京公演が始まると、駅の構内などで巨大なポスターを見かけるようになりましたが、項羽・虞美人はともかくおっさん劉邦が麗しい中国物という感じで、東洋コスプレもの好きな私の期待を嫌でも煽ります。
劉邦に追い詰められた項羽が虞や虞や汝を如何せん、と歌う場面は確か漢文の授業で習ったはず。
彼女が流した血からは真っ赤な花が咲き、虞美人草と呼ばれるようになったという、伝説の美女。

同じくスペクタクルアジアン史劇でも、「太王四神記」ほどファンタスティックな設定にはされてないだろう・・・と根拠のない期待もしてみたりして。それに、「項羽と劉邦」なら司馬遼太郎の小説で読んだことあるから、話くらいはわかるだろう…と軽く考え何の予習もせずに会場入りしたのですが、恐れ入ったことに、同行者のあーさんは事前にパンフレットを購入していて、あらすじや人物相関図など読んできたらしい。焦るわぁ。

でもまぁ、私もぶっつけ本番人生だしね(?)

以下、そんな感じで観た感想羅列です。

・オープニングでいきなり劉邦臨終場面かーーーー!枕元で劉邦への恨み言を縷々垂れ流す呂后もめっちゃ怖いが、「私の義兄弟項羽が迎えに来ている」で場面転換したらば、あの世(?)の項羽は虞美人とラヴラヴで劉邦君のことなどこれっぽっちも思い出していないように見えるのですが、いいのかあれ。
劉邦は酒好き女好きのちゃらんぽらん男、項羽はガチガチの一本気な武人という対比で描かれる。
・でもってどっちもキラキラ美青年なのは、さすがです。
劉邦役の2番手さんは、「太王〜」で私が一番ツボにはまった敵方秘密結社のクッサい親玉をやってたヒゲのお方だった!
・優秀な部下(張良)に万事まかせる〜てなヘラヘラ加減で飛ばす前半の劉邦。トップの項羽が生真面目で端麗なキャラだけに、劉邦ってもしかしてアホ?と思わせるところがたまりませんな。
張良の配役が、そうそう、ああいうイメージだわと今回一番嬉しかった。今は亡き張良ファンの友人があの彼を見たら、きっと喜んでくれただろう。劉邦の参謀として名高い張良は、始皇帝暗殺を謀ったとして秦から追われる熱血青年でありながら、女のような優しげな外見だったという。肉体的にも決して強くはなく、最終的に劉邦を王位につけたが、俗世に執着がなく、憂き世離れした仙人のようなところがあるひと。演じたジェンヌさんのよく通る涼しい声が特徴的で耳に残り、ちょっとあの声のファンになった。
・ところで、前の2番手(ヨンホゲのひと)はどこに行ったの?と、正統派ヅカファンのつぇーさんに尋ねたらば、なんとあの方は今は宙組のトップになっているそうだ。そうか、ここも人事異動があるのか。
・一途に項羽を慕う虞美人の健気さにほろりとした。ちなみにトップ娘役さんはこの公演をもって退団とか。
・権力志向の猛妻、劉邦の奥方も良かったなぁ。登場シーンは少ないが、険のある美女を上手く演じていて、可憐で無欲な虞美人との対比が際立つ(つまり結構あざとい)。
・問題は両雄がなんか小物に見えるところかなぁ。
・勝利より愛!を取るのがヅカ的理想の男だとしてもだよ、敵20万人を平然と生き埋めにするよな項羽が見たかったのです私は。
・一本気な項羽はビジュアルも歌声もとてもかっこいいし、鴻門の会の王様ぶりは良かったが、結局彼が何がしたかったのかよくわからぬ。楚の再興とか天下統一、敵殲滅とかもうちょっと男らしい野望に燃えてほしいわ。
・そんなわけで虞美人とあの世でラブラブ良かったね、くらいしか言うことはない。
・対する劉邦も、後半で項羽にボロ負けして追い詰められ「私は誰も愛していない」とか、唐突に自己批判初めるし・・・そんで見つけたの愛があの側室か?お陰で彼女は本妻に人豚にされ、息子は母親怖さでショック死(怖)
・「男はいないのか、男は〜」の民衆大合唱シーンにワロた。草食系男子化が嘆かれている昨今への皮肉かしらん。
・芥子花ロケットダンサーズの薄紅色衣装がムチャクチャかわいかった。ビバおかっぱロケット!


ところで、来月の月組公演は「スカーレット・ピンパーネル」(参照)なのですね!
バロネス・オルツイ原作の冒険活劇ラブロマンス「紅はこべ」のミュージカルで、海外版のCDは持っていますが舞台は見たことがありません。これは音楽が素晴らしい(テレンス・マンの歌声にメロメロなわたし)。
ヅカ版も綺麗だろうなあ〜チケット取れたら観てみたいものです。

The Scarlet Pimpernel: The New Musical Adventure - Original Broadway Cast Recording

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