豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

2010年8月号 月刊プリンセス連載分雑感

月刊 プリンセス 2010年 08月号 [雑誌]【あらすじ】
シバ王国へ旅立ったメンフィスを案じるキャロルの許に、侍女テティの口から思いがけないニュースがもたらされる。ヒッタイト王国へ潜入させた者からの知らせによれば、ヒッタイト王が定めた息子イズミル王子とトラキア王女との婚姻による同盟は、当のイズミル王子が結婚を拒否していま大騒ぎになっているという。しかも王子は容態が悪く伏せっているとも。元気になったイズミル王子はトラキアの姫君を花嫁に迎えてしあわせになったとばかり思っていたキャロルは大いに驚き、過日、ユーフラテス河で自分を庇って激流で受けた打撲傷が原因で病になったのではないか、早く治って欲しいと心を痛める。
さらに、トラキア王国から花嫁の兄がヒッタイトへ向かったという続報は、王妃キャロルはじめ国王不在のエジプト王宮に波紋を投げかけていた。
一方、獣騒動から一夜明けたシバ王国、停泊中の船の中では、怒りのあまり一睡もできなかったメンフィスが約定締結を待ちかねて独自の動きを開始していた。シバの女王に振り回された今回の件に懲りたメンフィスは、この先乳香の入手先をシバ王国だけに頼るのは危険と判断、港に停泊している交易商人と交渉するようミヌーエ将軍に命じる。
そこへシバ王宮から使いが来て、「約定締結の書」が出来たため王宮へおいでくださるようにとの女王の伝言を伝える。意気揚々と登城したメンフィスは、カリビル大臣はじめシバの臣下一同から、女王の命を救ってくれたことに対し深く感謝され、女王の名代カリビルから乳香交易に関する「約定締結の書」を手渡され、末永い香の交易を願うと口上を受ける。とそこへ、大怪我を押して身づくろいを整えた女王が輿に乗って姿を現した。帰国前に自らが治める地をエジプト王に見せたいと、城壁まで案内して海路と地上路が交差する様子を披露する。キャロルの語った通りの風景に感銘を受けるメンフィス。自らになびかなかった若い王に心奪われたシバの女王は、傷が癒えたらエジプトを訪問すると告げるのだった。女王が王を見つめる視線に不穏なものを感じ取ったミヌーエ将軍は、王に帰国を促し、ファラオの船はシバの港を出て、一路エジプトを目指す。

以下、9月号へ続く

【今月のお言葉】
王よ・・・
おお・・・光のなか長い黒髪がゆれて・・・
なんと美しい・・・・・・若者よ・・・・・・
これまでわたくしに媚びへつらって・・・近づいてきた男たちより・・・・・・
はるかに・・・はるかに美しく・・・かがやかしい王よ
*1

【定点観測】
1.イラスト集続報なし
2.オリジナル図書カード情報:9月号より3号連続で応募者全員サービス。応募は一号のみの購入でも可能の模様。

3.雑感
引越し後、初めての姫誌購入はさてどこにしようか迷ったが、結局帰宅途中のターミナル駅の書店で発見したので捕獲しておいた。探検してみたが、近所に深夜まで開いている普通の本屋があまりないのだ。オシャレな本屋は開いているが、そんなところに昭和な姫誌なんざ置いているわけがないのだ。さて来月はどうしよう(ていうか買うのか?)

話は意外とさくさくと進み、気まぐれ女王様の命の恩人ということで多大な恩を売った形のメンフィスは、シバ臣下一同からの厚い感謝とともに今後は勝手に乳香の輸出を止めたりしません的約定を締結して無事帰国の途につかれた。例によって王様の美貌に惚れたシバの女王からのねちこいお礼参り約束という有難くもないオマケつきではあるが、キルケーとかカーフラ様とかの先約が詰まっていることだし、再登場は当分先になることと思われる。大胆背中開きドレスを再び着られるように、傷がしっかり治るまで出てこなくていいよ。というわけで、女王があれほど敵討ち敵討ち騒ぐほど肩入れしていたインダスのシンドゥ太子ですら、メンフィス様の魅力の前には忘れ去られ、「わたくしにこびへつらって近づいてきた男」と有象無象の一匹にされてしまったということですね。魔性の女つーか、魔性の男だが、本人まるで自覚なし。似合いの夫婦だ。
さてその魔性の王様は、うっかり(?)女王の命を助けてしまった怒りのあまり一睡もできず、甲板からぼけーっと港の活気を眺めていて、一人の大商人に目をつけ、あの者なら乳香も取り扱っているであろう、あんなわけわからん女の機嫌をとって乳香を恵んでもらうより、あの商人から買えば早いではないか!と今更ながら気がつかれたらしい。もっともな着想だが、事前にこの点を王様にプレゼンしたエジプト臣下は誰もいなかったということですね(ミヌーエの反応からすると)。ファラオが自ら乗り出して乳香交易再開できなければ面子丸つぶれである。今回は偶々目的を達成できたが、サメの海に放り込まれたり、怪獣と戦ったりした苦労の割には、あんまり「おおっ」というシーンはなかったと思われる。メンフィスは何事にもまっすぐで一生懸命なの〜というのはナナメな私にも痛いほどわかりますよ?でもさ、歴史書オタクの愛妃から雑学レクチャー受けて素直に感動してる場合かおのれは〜!血なまぐさい古代世界を生き抜いてきた王様はもっと素で賢いんじゃないのかとか思ってしまうのよ私。
それにしても、貿易相手を一国に絞るとリスクが高いというのは自明の理なんだろうが、これって「愛の泉」でオリビア姫と結婚したくないジュリオ皇太子が苦し紛れの言い訳に使っていた論法だな…とかデジャブなシーンであった。

こうしてある意味暢気なインド洋交易圏のエピソードは今月で終わり、舞台は激動のエーゲ海世界に戻るようだ。ついにキャロルの耳にまで、イズミル王子が父王の決めた結婚を拒否しているという噂が届き、お気に入りのテティとヒッタイト王悪玉ゴシップで盛り上がっている。
 度々書いているが、私はイズミル王子の恋には何の思いいれもないので、「結婚して幸せになったと思ってたのに〜」的な今月キャロルの反応にイラっとくることはない。(どっちかというとイラッとくるのは、ヒッタイトからの機密情報を小耳に挟んでご注進にくる侍女とそれを確認もしない王妃の反応のほうだ)それでも、かつてキャロルは王子が肩の銃弾の傷の後遺症で苦しんでいたさまを見ているのだし、激流に流されたとき傷が悪化したんじゃないかとか思い至らないのはどうなの?という気はする。キャロルのこういう神がかり的鈍感さが非難轟々あびる所以なんでしょう。でもねぇ、何でも私のせいで私が悪いの〜といちいちオロオロするヒロインもかなり鬱陶しいと思うのよ。
 それより気になるのは、「剛健な人」が多いというトラキアからやってくる王子だな(タミュリス王女の兄上らしい)。ジダンタシュ、シンドゥ太子を例に挙げるまでもなく、最近登場する王子様って軒並み暴落王子揃いなので、先行きあまり期待していないが、できればヒッタイト王とがぶり四つに組める悪玉王子が登場し(カッコいい騎馬民族衣装で)、瀕死のイズミル王子をビシビシしごいて友情を育んでもらいたい。「よし、お前の妹を嫁にもらってやる!」と言わせるよな…って路線違うよ。

↓余談ですが、これにそんな兄様がちらりと出てきます。中央アジアを舞台にしているので民族衣装もの好きな方はおススメ。

乙嫁語り 2巻 (ビームコミックス) (BEAM COMIX)

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*1:シバの女王@うっとり