豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

 イシュタルの娘

イシュタルの娘~小野於通伝~(1) (Be・Loveコミックス)

イシュタルの娘~小野於通伝~(1) (Be・Loveコミックス)


書店ぷらっとしていて、新刊コーナーで目に留まったこれは大和和紀さんの新作らしい。
う〜む、イシュタル?ってあの御方が寝言でも呟くおお愛の女神イシュタルよ〜の、あの?でも表紙はどう見ても日本女性(しかも安土桃山あたりの風俗)だよなぁ・・・・
手にとって見ると、帯に「大和和紀が初にして待望の戦国ロマンのヒロインに抜擢したのは小野於通(おののおつう)」とある。
はて、初めて目にする名前だけど、有名な女性なのだろうか。まぁ大和作品ならハズレはなかろうと思い、買ってみた。

実在の女性のようである。
読み終わった後、略歴をインターネットで調べようと思ったが、下手するとネタバレになってしまうので、生い立ち部分をさらっと読むくらいで止めて置いた。

天正四(一五七六)年、美濃(岐阜県)生まれ。父親は斎藤道三の家臣小野正秀といい、主家滅亡後明智光秀に従い、山崎合戦で羽柴秀吉軍と戦い討死。当時六つの於通は母と京に逃げ、知り合いの公卿九条種道にかくまわれる。種道は後陽成天皇源氏物語を進講したほどの学者で於通をかわいがり、学問や技芸を教えこんだから、素晴らしい教養のある知的な女性に成長した。(参照

マンガでは、(作者のアレンジなのだろうが)、幼い於通は織田信長の目に留まり、けっこう可愛がられて身近に出入りしているので、あのあたりの有名どころがゴロゴロ出てくる。
とはいえ、於通は武家育ちながら公家の元で最高の教育を授けられ一種の女流文化人に成長する。「イシュタルの娘」というタイトルは、於通には幼少時から異界のものが見える能力があるという設定になっているからで、そういう意味では、古の神々が息づく日本の巫女的性格をもつ女性ともいえそうだ。戦国武将の妻女たちの波乱万丈物語(ドロドロ?)はけっこう読むが、こういう3つの顔をもつ女性を狂言回しにして描かれる少女マンガは目新しいかも。私は大和さんの描くヒロインの優しくしなやかに強くちょっとボケというあたりがけっこう好きである。
それに、この時代、この配役だと、モロに来年の大河ドラマ「江〜姫たちの戦国」と被るのでそのうち人気が出るんじゃないかなあと期待できる。(信長キャストはトヨエツなんですってね・・・ええ”−−−−!!ちょっと微妙ォ、いや、でもちっこい(?)蘭丸連れて、白無垢で炎バックに獅子奮迅してるとこは見たい。。。)

冒頭にこのモノローグが掲げられていた。

金星は明け方と夕方にのみ見える輝く星である。
明け方を呼ぶ星「明けの明星」
また夜に先駆ける星として「宵の明星」と呼ばれている。
日本でも古より「天津甕星(あまつみかぼし)」
別名「香香背男(かがせお)」という星神とされている。
西洋占星術では
牡牛座と天秤座の支配星であり
美・平和・愛・芸術の象徴である
その輝きの美しさゆえか
ローマ神話により「ヴィーナス」
ギリシア神話では「アフロディーテ」など
美を司る女神の名が与えられた。

そしてこの星のもっとも古い呼び名は
古代メソポタミアの美神「イシュタル」である。


そっかぁ。
某王子が信奉する偉大な戦女神は、この極東の島国ではまつろわぬ神々のおひとりでもあったのですね。天津甕星を祀る神社も全国にあり、茨城県日立市の大甕倭文神社などの名前が挙がっている。(うぃき参照
ネットを徘徊していると、それってオカルト?みたいな、濃厚古代史ロマン言説を大開陳してるページとかいろいろあって楽しいわ。梅原猛氏の著作にハマってた頃を思い出す。