石田徹也 −僕たちの自画像−展
- 作者: 石田徹也
- 出版社/メーカー: 求龍堂
- 発売日: 2006/05
- メディア: 大型本
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2005年に31歳という若さで夭折した画家、石田徹也さんの作品展が練馬区立美術館で開催されていたので、観に出かけた。確か去年あたり、新聞の小さな記事でこの方の遺作展がどこかで開催されて話題になっていることを知ったのだ。そのときの記事に添えられていたのがこの絵だった。ごらんの通り、一目見たら忘れられないシュールな絵。
やっと実物を見ることができた。
公式サイトは こちら http://www.tetsuyaishida.jp/
彼のことを、もっと知りたいなと検索していて、このTV番組の動画も見てみた。
「美の巨人たち 石田徹也特集」(2008年4月1日放送)
彼の作品の前に立ったとき、真っ先に私が感じたのは「悲しみ」の感情だった。途方にくれた悲しみ。息苦しさと身の置き所のなさと、諦念。その中で鋭い皮肉が醸し出す、乾いた笑い。2000年以降、凄みを帯びてゆく自己へのまなざしというか虚無感。彼の絵に漂う独特の雰囲気を、番組中では「生きづらさ、閉塞感」と評していたが、これはロストジェネレーション世代とよばれる私たちが最も共感する感情ではないか。とはいえ、そうはいってもこの孤独感というものは、どこか男性の感情だなという気がしてならなかった。彼の絵には滅多に女性が登場しないので。うまくいえないけど、女の孤独感はあれとは色合いが違う。もっとナルシスティックで、おめでたい。だからこそ私はその匂いに辟易するのだ。