豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

月刊プリンセス連載分雑感 (2016年7月~2017年5月)

去年からの持ち腐れ寸前ネタバレです。7回分雑にまとめました。

【ネタバレあらすじ】

プリンセス 2016年 07 月号 [雑誌] プリンセス 2016年 08 月号 [雑誌] プリンセス 2016年 09 月号 [雑誌] プリンセス 2016年 10 月号 [雑誌] プリンセス 2017年 01 月号 [雑誌] プリンセス 2017年 02 月号 [雑誌]

 

 

プリンセス 2017年 05 月号 [雑誌]

プリンセス 2017年 05 月号 [雑誌]

 

 ※ここまでの流れはこちら↓

 hillofbeans.hatenablog.com

 

 

以下、ネタバレあらすじ。

 

  • メンフィスを庇い深手を負ったキャロル。メンフィス達は加勢に加わったヒューリアと連携しつつ、ヌビア兵の囲みを突破し援軍の待つ川下へ移動。
  • 一転してエジプト兵から狙われる身になったタヌト妃は、メンフィスを閉じ込めていた廃神殿に身を隠し、ひとまず追っ手から逃れようと企む。
  • 神殿に身を隠したタヌトは、内部が水浸しになっていることに驚き、エジプト兵たちが岩を削って脱出した痕跡を目の当たりにして悔しがるが後の祭り。
  • 浸水による地盤の緩みか、タヌトたちが潜む岩窟の天井が突如崩れ始め、付き従ってきたヌビア兵もろとも生き埋めに。
  • 地すべりに驚きつつ、間一髪で逃れたエジプト軍はナイル川に合流する川にたどり着き、船に乗り換え出発。
  • なおも追いすがるヌビアの残党から矢の雨が振りそそぐ。浅瀬で苦戦するエジプト側に、対岸から思わぬ助勢あり、鮮やかにヌビア兵を始末して去る。メンフィスたちは何とか逃げ切ることに成功する。(加勢したのは、偵察に来てその場に居合わせた白ナイルの王子)
  • キャロルが意識を取り戻し、一行はナイル川上流の激流に翻弄されながら、テーベを目指す。
  • その頃、エジプト王宮。メンフィス王の不在を受け、おべっか使いの臣下に取り巻かれる王弟ネバメンは相変わらずの浮かれぶり。宰相イムホテップの元に、王が無事帰還するとの知らせがもたらされ、ネバメン顔面蒼白。
  • イズミル王子は、ルカ便(鳩)でキャロルが無事ヌビアを脱出したことを知り安堵。トラキアとの戦を回避するため、ヒッタイトの王城へ帰還する。
  • 船上で激流に翻弄され続けるキャロルは、ダム建設で失われた古代ナイル河の激しさを目の当たりにして、時間の感覚が失われてゆき、再び意識が混濁。船が急流の衝撃で大破し、河中に投げ出されたキャロルは水中でライアンの姿を見る。現代ナイル河の上流でダム建設の視察に来ていたライアンは、キャロルの名を呼ぶ声を耳にして驚き、ナイル川に転落して、水中でキャロルの姿を目撃するが、キャロルは幻のように消えてしまう。一斉捜索を命じるライアン。
  • テーベの都。王宮を出入りするネバメンの召使いペルトの姿を目に留め、驚く男たちがいた。脱走した死刑囚ペルトだと気付いた男たちは罪人で、ペルトの側には同じく死刑囚のネバメンがいるはずと踏んだ男たちは、ペルトから金を脅し取るべく張り込みを続ける。
  • そんなことはつゆ知らぬネバメンは、奥宮殿に引きこもっていると思っていたナイルの王妃が、王を助けに行き、二人とも無事帰還すると知らされナフテラに騙されたと怒り狂う。
  • キャロルの容体はますます悪化するなか、メンフィスの元に医師を伴ったナフテラが駆けつける。急ぎ医師の手当を受けるが容体芳しからず。
  • 瀕死の重体に陥ったキャロルを連れ、メンフィスはようやくテーベの都に帰還。待ちかねていた宰相に対し、留守中の差配と心配りに感謝する。
  • ハサンも薬を持って王宮にかけつけ。
  • メンフィスは留守中にキャロルを狙った暗殺者トラキア人を取り逃がしたネバメンに激怒し、厳しく叱責。ネバメンは深く恨みを抱く。
  • ネバメンとペルトを知る男たちは、王都の騒ぎに乗じて王宮に潜入する計画を練っていた。
  • イズミル王子、ヒッタイトの王城へ到着。

 

 【雑感】

キャロル、またしても瀕死。もう何回目か思い出せないわ~ライアン兄さん。

再演ミュージカルで新たに加わった新曲(2幕フィナーレ)で「待ち構える苦難は愛を確かめ合う試練~」とかいうキラキラしい歌詞があるのですが、二人の愛を試す試練も度が過ぎれば身も心も干からびるんじゃないかと、レンジでチンしすぎた鶏肉を前に考え込むのであります。試練も毎度同じようなパターン、敵は相変わらず陳腐で間抜け。タヌトが逃亡せず、落石で死んだ(と思われる)のには驚きましたが、かといって惜しいキャラでもない。暴れっぷりも毒気も復讐も中途半端だった。メンフィスにとって、やっぱりヌビア女はろくでもないと思わせただけだったんじゃないか。だから何なの謎の奥ヌビア編(場所も移動速度も謎)。

新年号でライアン兄さんが久々登場。キャロルのいつもの1コマ回想でなく、古代と現代が一瞬交差して、兄妹の視線が合い、お互いあっと驚くという初期風の邂逅。そしてイズミル王子はトラキアヒッタイトの戦を回避するため、父王の元へ帰還しております。王子の後ろでハザス将軍が「またトラキア王女と結婚の話が蒸し返されますぞ」とボヤいておりますが、どう考えてもトラキア王の目的はそれ。しかし、国のため、事態を放っておけないという王子の意思は固いようです。

我ながらこれは邪推かなと思わないでもないですが、ライアン登場の仕方といい、決然と事態に立ち向かう(ように見える)イズミル王子といい、去年のミュージカルからの影響を少なからず感じます。もちろん、原作あってこその舞台化なので、その舞台からの影響というと語弊があるかもしれません。ただ、初期の魅力的なシーンが目の前に顕現しているのを見ると、単なる読者の私でも、本来の彼らはどういうキャラクターであったか、この後どこへ向かうはずであったか、ということを考えずにはいられなかったので、自ら生み出したキャラクターたちの生き様をご覧になれば、細川先生も何らか思うところはおありのはず。

遅すぎた気がしなくはないですが、イズミル王子の巻き返しにほんの少し期待したい自分に驚いています。