豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

2015年9月号 月刊プリンセス連載分雑感

プリンセス 2015年 09 月号 [雑誌]

プリンセス 2015年 09 月号 [雑誌]

【今月のネタバレあらすじ】
捕らわれたメンフィスの元に向かっていたキャロルは、過酷な熱風に晒され続けたため高熱を発して倒れてしまう。そこへイズミル王子が現れ、ヒッタイトへ連れていこうとするが、間近に大勢のヌビア兵士が迫るいま、衰弱したキャロルの容態から長旅は無理と判断、取り急ぎ自らキャロルに薬と水を与える。さらにそこへハザズ将軍からヒッタイト王よりの火急の知らせがもたらされた。黒海沿岸にトラキア軍が集結し、戦の前にトラキア王がイズミル王子との会見を望んでおり、王子の出方によっては平和裡に治めるとの伝言。即刻帰国を求められたイズミル王子は断腸の思いでキャロルを残し帰国の途につく。
イズミル王子と入れ替わるように、タヌト妃の命でキャロルたちを迎えに来たヌビア兵の一団が到着する。長ザグウは眠り込んでいたメロイ達をたたき起こし、何とか熱が下がって意識を取り戻したキャロルを連れて、再びタヌト妃の元へ取って返す。
その頃、閉じ込められた岩窟神殿で反撃の機会を伺うメンフィスは、明日にも到着するキャロルを無事に取り戻す策を練っていた。同じく、メンフィスの行方を追って地底の洞窟を脱出してきたウナス一行は、ようやく地上に出たが、眼下に集結するおびただしい数のヌビア兵の姿を発見し、一同に緊張が走る。

ウナスはメンフィスのピンチを救えるのか?


――――続きは10月号で。


【今月のお言葉】
わがアナトリアの台地 ヒッタイト王国
未来 姫とともに治めたい
ルカよ
わが姫を守れい
ルカよ

*1

【雑感】
ドラマCDキャスト4名によるスペシャルトークCDの付録あり(収録時間59分)。4名の座談会かと思いきや、男性キャスト2名のコメントに女性キャスト2名がツッコミ入れるという企画で、音声が被って聞き取りづらかった。紙面にはキャストと細川両先生の記念写真の掲載あり。

「ミュージカル化決定」の文字は踊れど、詳細は待て次号らしい。なお、ミュージカル出演者からのコメントが次号に掲載予定。


内容は(予想していたとはいえ)失望。
理由は以下に長々と書いたので、お暇な方はお目通しあれかし。

イズミル王子の(扱いの)酷さに今月号をぶん投げたかった。
一応助けられた立場のキャロルは意識朦朧で「(イズミル王子がここにいたなんて)いまもまだ夢を見ているみたい」と、せっかく渾身の口移しで助けたというのに夢オチにされておりますぞ王子!それでいいのか!!
ちなみに、王家名物おしゃべりタイム今月号には下4ページぶち抜きでイズミルファンの方の愛が迸るレターが掲載されており、今月王子のシーンと併せて読むと泣ける。

ここは素直に「イズミル王子はキャロルを探し求めて山河を越え急ぎに急いでやっと会えたが、ヒッタイト王国を守るために帰国せざるをえず、弱り切ったキャロルを思いやって今回は黙って立ち去った」のね。ああ純愛〜なんて責任感の強い王子。とでも脳内変換して読むしかないの?

ま、それが出来たらここにこんなグダグダ書いたりしませんわい。
イズミル王子のシーンで、もやっとしたところ、ざっと3つはある。

1.出奔後の計画が不明。
当初、再会の嬉しさに舞い上がってキャロルの異変に気づかず「姫よそなたを抱いて我がヒッタイトへ」と言い、で、行先はというと「さあ聖なる山エルジャス山へ参ろう」
キャロルを家出先に連れていくつもりだった。
隠棲している老恩師にこれ以上迷惑をかけたくない等、一片も配慮なし。
ていうか、あれだけ怜悧英明の名高かった王子を置いてくれるところが隠者の老人の家しかないって、どんだけ人望ないのかと。
そのうえ王子が山降りて真っ先にやることが、またキャロル獲り。
父王が勧めるトラキア王女との婚姻を拒絶して王都を去り、恩師の元に駆け込んで寝込み、ちょっと元気になった途端またキャロルを追いかけてヌビアの奥地まで来た王子は、今度キャロルを首尾よく捕獲することが出来たらその先どうするつもりだったのか?キャロルを連れて帰って、今度こそ力づくでも何でも妃にして、そして改めてエルジャス山を根城に父王に叛旗でも翻してヒッタイト王になるとか、王子なりに目論見があるのだろうが、それが全然見えない。



2.父王と訣別したと言いながら、呼び返されるとほいほい帰るズレた自意識
今の王子が「ヒッタイトを守るために」とか言い出すと、世継ぎ失格のああたがいうな感が漂い出す。ご本人は大真面目なだけにギャップたるやおそろしいものがある。
トラキア王が「王子の出方によっては平和裡に治める」と言うなら、それは、娘のタミュリス王女に恥をかかせたことを謝罪して、改めてタミュリスとの婚姻をイズミル王子が承諾すること、という要求しかないと思うのだが、王子はそれが承諾できないから父王と決別したわけで、おそらくまた同じ話の蒸し返しになるのは明らか。それなのに、トラキア王国との紛争が爆発しそうと聞かされるや、途端に世継ぎ意識に囚われ、病人を砂漠に放置して(少なくとも、ルカの到着を確認せず)とって返す王子の言動は、またしても中途半端なことをする人という印象を拭えない。
今更読み返すも疲れるので、王子出奔シーンは記憶のまま書き飛ばすと、確か「これよりわたくしは自分の思うままに生きたいと思います」と言って父王の前から去ったと思うのだが、それはトラキア王を激怒させヒッタイト王国との同盟を危うくしても自分の意思を貫き通すとの表明ではないのか。だったら、トラキアもエジプトもヒッタイトも、全部火の海にしてでもキャロルを手に入れてみろ!と私は思うんである。


3.キャロルに口移しで薬を与えるシーンの画が雑
画面の問題なのではあるが、見ようによっては王子が吐いてる風でドン引く。
急いでいるのはわかるが、もうちょっと少女漫画的に美しく、万感の思いを伝えられないものか。
私だって悲恋に涙絞って読みたい。浸りたい。



その他脇キャラ。
ヌビアのタヌト妃の、やなオバハン化が急ピッチで進行中。
シバの女王はまだ初登場頃は神秘のベールに覆われていたが、タヌト妃は前触れもなく出てきたとたんメンフィスを監禁しただけあって、細川漫画の敵役の宿命=どあつかましい・人の話を聞いていない・残酷・(女キャラの場合)横に巨大化しつつあり、同時に、こいつらは計画の甘いアホなんですという懇切丁寧な描写もたっぷり。
腐っても元王妃なら、しかも、後年エジプトに実際に王朝を打ち立て、かつエジプト文明を尊んだというヌビアの王族なら、もうちょっと品位のかけらくらいあってもいいのではないかと思うのだが「明日は皆の前でおもしろい見世物をみせてやるえ」とのたまうタヌト妃の計画はコレ↓か。

ナイルの姫が来たら・・・

まず毒で弱ったメンフィス王を姫に見せる。

姫に獣をけしかけ逃げ惑う様を王に見せる(ついでに獣に咬み殺させる)

王を人質にしてエジプト王宮に乗り込みエジプトを手に入れる。


どっかで誰かが言ってた、やってた企みの使い回しじゃないか。
もう見飽きた、聞き飽きた。


あとは、メロイ達が自分たちがいつのまにか眠りこけていたことを不思議がっていたが、それって普通に考えて、直前に旅商人のじいさん(?)からもらった食料のせいだろう。
とすると、あの旅商人にはやはり下心がある。
狙いは間違いなくキャロルだから、奴の正体が気になるワーーーと懲りない雑感オワリ。

*1:イズミル王子@結局ルカに丸投げ