豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

2007年1月号プリンセス連載分雑感

月刊 プリンセス 2007年 01月号 [雑誌]【今月のネタバレあらすじ】

王と王妃の突然の帰還を受け、待ちかねていたテーベの民は熱狂して出迎える。苦難の日々を思い返し感慨に耽るキャロルは、よりいっそう民の心に応えようと決意を新たにするのだった。一方、客人として王宮に滞在中のインダスのシンドゥ太子は、王妃の帰還に民が歓喜する様子を目の当たりにし、ますます「ナイルの王妃」という人物に興味をもつ。
太子歓迎の宴を主催しようと意気込んでいたネバメンは、急ぎ“兄”であるメンフィスに無事帰国を寿ぐ挨拶を述べるが、メンフィスからはねぎらいの言葉とともに事実上の御役御免を申し渡されてしまう。王の留守中は自分を支持した臣下たちが、手のひらを返したように冷たくなったことにネバメンは激しく憤り、報復を誓うのだった。
病み上がりのキャロルに無理をさせたくないメンフィスだったが、シンドゥ太子が面会を求める相手が王妃である以上、キャロルを出席させざるをえない。キャロルが支度を整えているさなか、メンフィスの元にミノアの王太后から再びの王妃の来訪を請う書状が届く。同時にイムホテップにはユクタス将軍からの調査結果がもたらされた。なかには、ネバメンの育ての親、海上商人タルシシの船はイオニア海で炎上沈没したとの記載。驚いたイムホテップとミヌーエは、近く来訪予定のユクタス将軍に詳しい話を聞くべく話し合う。
キャロルを伴い宴の間へ向かうメンフィスは、ユクタスの来訪予定を聞き機嫌が悪い。笑いながらメンフィスを宥めるキャロルは、謎の民インダスの太子との対面に心浮き立たせていた。
ナイルの姫とは、未来を読む可憐な姫か、はたまた大エジプトの王を惑わす魔性の女か。見極めんとするシンドゥ太子の心も妖しく揺れる。   
様々な思惑のもと、今、宴の幕が上がる――
 
⇒2月号へ続く。


【今月のお言葉】
「おなつかしきナイルの姫君!
お知らせしておりました
『海の離宮』が完成いたしました
どうぞ……ミノアへお越しを……」
*1


【今月のぐだぐだ】
まだミノアが出てくるの(笑)というとはアレか?ひょっとして作者抱負「主人公たちを歴史の大きなうねりのなかに放り込みたい」ってサントリー二島が大爆発する日がマジで来る……のか……うは。
何が切ないって、この4年のあーだこーだを、見開きたった2ページで総括されることほど切ないことがあるだろうか。要するにキルケー蛸踊りで幕を開けた、第○(数えるのも面倒だ)回キャロル誘拐事件の顛末はキャロル認識においては「ザルプワに腹殴られ→ケツシにバトンタッチ→バザルんちで見世物→イズミル王子と激流下り→ジダンタシュの試し切りの的になって死ぬ目に遭いました」って話だったわけやね(イリシュは思い出したくもないか  読み直したらば、ちゃんと狼頭巾イリシュも描かれてた。。今となってはキャロルに惚れなかった貴重なキャラかもしれぬ)。お約束どおりメンフィスが迎えに来て、ナイル河口には花吹雪が舞い散り……とくれば、次は宴会しかないだろうっ!!丁度新年会シーズンだし、飲めや歌えやの大宴会だッ!!宴会→事件発生→離れ離れ→すったもんだ→帰還→宴会→……実に見事な黄金ループ。
というわけで、次号では本格的に「歓迎!インダス太子シンドゥ殿下ご一行様」宴会が繰り広げられるらしいのだが、今回はその準備段階というか、身支度編とでもいうエピソードだった。細々とした雑情報を整理してるのかなぁといったかんじ。
どーでもいいことだが、今月の個人的筆頭ギャフン(?)は、「イムホテップが下エジプトに早舟を手配してくれたゆえに早く(テーベに戻れた)」というメンフィスのセリフだ。ということは、ネバメンの王代理をいったん認め調子付かせておいて、梯子を外したのは他でもないイムホテップ宰相ってことになるのか?イヤン。やるときゃやるのですね、エジプトの知恵なお方(アリポーズ)。ユクタス発タルシシ情報について、ミヌーエ将軍と打ち合わせしてるあたり(そしてユクタスアレルギーなメンフィスにはマル秘情報を絶対上げてこないあたり)老宰相の亀の甲に期待したいのだが、さてどんなもんだろうか。
先月の女性自身インタビュー記事によると、作者、この号の原稿は危うく落とす寸前まで行ったらしい。私には絵のことはわからないが、パッと見では、いつもどおりな印象を受ける(はたして“いつも通り”が喜ばしいのか、というのは深遠な問題だろうが……まぁ妙ちきりんなキラキラトーンを貼りまくられなかっただけでもあたしゃ嬉し)。敢えて、おやぁ?っていう箇所を粗探しするなら(するのか?)、シンドゥ太子の目が突如パッチリ目になっちゃってるんでわ?というところか(数コマ、妙にメンフィスっぽい太子が見える)。それより、私が面白いと思ったのは「浅黒い肌のきりりとした美形」と噂が乱れ飛ぶ太子が、実はけっこう屈折君なのか?女好きなのか?てな意味深セリフを吐くことだ。太子は予言に弱い父王に命じられて渋々エジプトに出向いたらしいのだが、諸国の王が争って狙う女なんざどーせ妖しい魅力プンプンな魔性の女だろうケッ(もっと上品言い回しだモチロン)と思っていた当のナイルの姫が、まるで少女のような可憐な姫君ではないか〜惑わされて見たい〜などとオソロシイことを仰っておられる。出た出た出た出たぜよ「少女のように可憐な姫」賛歌が。これが負け犬敵役なら「ちっぽけな姫」罵倒になる。絶賛しからずんば罵倒の二者択一が王家ワールドの掟ですからね。王妃帰還の歓喜に煮えたぎってるテーベを見るにつけ、「可憐な姿形をして口先だけで人を惑わす魔性の女」っていうのは、ちっともシャレになっとらんのではないかと思う私だが、太子さま本人もご希望の通りいずれその女に惑わされる展開が来るのかと思うと(青息吐息)。
 

さて、今月のネバである。
メンフィスにヤル気満々で抱負を述べてるコマを見ていると、アンタそんなにパーチーのホストやりたかったんかと少し憐れをもよおしてしまった。んが、早舟で帰ったばかりだというのに疲れも見せないメンフィスは、ご苦労の一言で爽やかにネバにクビを申し渡す。
このへんは、両者如何にハッタリの才能と厚顔に恵まれていようが、生まれながらの王族メンフィスと、奴隷上がりネバメンとの違いが鮮やかに出たシーンではあろう。つまり、メンフィスは貴人に情なしというがふさわしくスマートで、対するネバはガツガツしすぎて見苦しいのだ。実にあざとい描きかただが、この対比は面白いし、わたしは好きである。しかし、問題はその先なの。
メンフィスはいったいネバメンをこれからどう処遇するつもりなんだろう?この点がかねてから私には疑問なのだ。いったんは「弟」と認めたようにみえながら、弟が神殿に入るというのを後押しするわけでもなく、臣下の一人としてきちんと身を立てられるように配慮を見せるわけでもなく、さてまた身元調査を積極的に指示するわけでもなく、敵とみなして監禁するでも毒殺するでもなく。ほとんど無視に近い扱いをしてきたのがメンフィス(とその側近たち)。必然的に、ネバはヒマこいたあまり、愛玩犬ペルトを相手にフカシこきつつパンツも穿かずに喰っちゃ寝三昧。もしかしなくてもファラオにおかれましては、嵩高いネバを宮殿内で飼い殺す壮大な計画でもお持ちかや?ネバに妙なヤマッ気があるのは、運河開通式の一件でメンフィスも認識したはずだから、あのまま放置しておくのは得策じゃなかろうに。留守中の臣下たちの行動を見ても、早晩ネバの周囲に有象無象が寄ってくるのは明らかであるし。私は一度権力の味を知ってしまったネバが、それに取り付かれて破滅するさまを見たい。しかし、そのためには、権力者としてのメンフィスがネバメンにちゃんと向き合あわねば面白くならないんじゃないか。ネバが身の程知らずなら、メンフィスの身の程がいかなるものか私は見たい。女と見まごう美青年にしてヒロインキャロルの熱愛者にして守護者にして崇拝者、でもってユクタスアレルギーのプリティな若き絶対君主って顔ばかりでは息切れする(というかすでにしてる)。
さらにどーでもいいことだが、またもセリフが砕けてきた気がしてならない。
「太子がお待ちだわ すこし眠ってパワーをつけなきゃ」「熱はないが…顔色が悪いなあ…」「ふらふらだぞ 無理するな」「だめだっ 絶対に行かせてはならん!」 などなど。まぁ、私の好みが古臭いのかもしれんが、もちっと気取ってくだされ王様。
あ、でも、今月カラーはラブリーな幸せ顔二人でステキだったす。モダンで斬新な王冠もいいけど、わたしは古典的なデザインが好きなのよん。

画像はアマゾンから拝借。アマゾンでもプリンセス購入できることを今日知った。
来月号は「レディ・ヴィクトリアン」が完結するみたいである。大団円ぽくって、わたしも楽しみにしている。で、いつのまにか「妖精国の騎士」も完結してたのに驚いた(54巻!)

*1:ミノアの王太后陛下
ていうか、女将、これは旅館「海の離宮」新規オープン挨拶口上ですか?
後ろの息子はさしずめ番頭(見習い)ってとこで。
私有池ではイルカも泳いでます。