豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

2012年9月号月刊プリンセス連載分雑感

悠久の時を超えた、無垢な愛の物語
月刊 プリンセス 2012年 09月号 [雑誌]
【今月のネタバレあらすじ】
アビシニア王子マシャリキの部下に欺かれ、川の急流へ導かれつつあったメンフィスは、かつて自分の妃をムーサの山に連れ去った従者の正体を知り大いに驚く。主君が受けた屈辱を果たすと意気込むアビシニア人に対し、なぜ自分の前に堂々と姿を現し戦いを挑まないのかと糾弾するメンフィスだったが、流れに乗った船は巨大な滝へと吸い込まれ、兵諸共滝壺へ落ちて行った。
仇敵エジプト王が暗黒の滝に落ちたとの報告を受けたエレニーは、喜び勇んで隣国との戦場に臨んでいる主君の元へ出発する。
その頃、キャロルはイムホテップに頼んで新しく開かせた働く母のための託児所の様子をみるため、新都工事の現場をお忍びで訪れていた。差し入れのパンを持って訪問したキャロルは子供たちに大歓迎され、託児所の順調な様子に安心するが、その時、工事現場で足場が崩れる事故が起きたと知らせうけ、外に飛び出してゆく。
その姿を目に留めたのが、先日自分に無礼な口をきいた女奴隷を探しに来たトラキア王子シタルケスで・・・
以下10月号に続く

【今月のお言葉】
なんと申すぞ マシャリキは従者といつわりキャロルを騙してムーサの山に連れて行ったではないか!王子ならば なぜ!身分を隠して近づきキャロルを欺いたのだ!卑怯であろう!なぜ今も わが前に姿を現し堂々と戦いを挑まぬぞ 腰ぬけかーーーーっ
*1


【雑感】
特別ふろく 王家の名言・名キャラのシール2枚組入り。
「このおろかものめがーーーっ」「わーわーわー」とか、「馬ひけーーーー」「ザバーッ」等のまぁ確かに王家的名セリフ(細川フォント)がシールになってる代物だった。
シャレでお手紙に貼って出そうかな
「ふん 愛いやつめ・・・・」
なんちゃって。(嫌がらせじゃなくってよオホホホーーーー!!)

今月は、かねてよりエレニーに本懐を遂げて欲しい欲しいとずっと唱えてきた私の宿願が叶い(?)、とうとうメンフィスが滝に叩き落される展開を迎え、ささやかな喜びに浸った。
不満といえば、メンフィスにトドメの啖呵切ったのが、エレニー本人じゃなくそのまた手下のペーペー(色黒ペルト顔)だったのことかな。エレニー配下のこの刺客ときたら、直情メンフィスに、お前の主人は卑怯者――!と図星さされて逆上するあまり、メンフィスに引導渡すシーンがあんまりカッコよくない。そのうえその直後刺客自身も、ずっと尾いてきていた大蛇(口の中がホラー)に呑み込まれメンフィスの後を追わされるというザマミロ的扱いには言葉もない。

まぁね。私だってわかっちゃいるのだ。メンフィスはぐだぐだに腐っても崩れても砕けてもヒーローなのだから、必ずキャロルの元に戻って来るってことは!!
私はメンフィスに死んでほしいわけじゃなく、メンフィスが死ぬ目にあって、双方、少なくともこれから窮地に立つキャロルに成長して欲しいな〜と思っているだけだから。

かくして正統派ヒーローたるメンフィスは死ぬ間際でも(←死んでない)、正論吐いて消えていくのでありました。。。。なんだろうこの脱力感。。。

そして、メンフィスの最期の叫び(←死んでない)を例のテレパシーでキャッチしたキャロルは不安を覚えながら、テティとルカをお供に工事現場の託児所にパンを差し入れ大歓迎されている。危険な工事現場で働く母たちのために託児所を、というキャロルの熱意はわからないでもないが、それで王妃の責務を果たしているからご立派かというとちょっと違う。
子どもの世話をやくキャロルの様子を見ていると、昨今のエジプト王国に漂う空気にある種の不自然さを強く感じる。作中では誰も触れず、身近なテティもイムホテップもナフテラも誰もキャロルに「早く世継ぎを作れ」と言わないのはどういうことなのか。アイシスに王子誕生のニュースが流れても、誰も「で、ところでうちの王子様はどうなってるの?」と言い出さない呑気にさは驚嘆する。(ど庶民なワタシでも一度や二度は言われたことあるぞ怒怒!!)このままファラオが帰って来なかったら、世継ぎは誰なのかとかちらとでも考えたりするとあそこでは不忠者扱いなんだろうか。

といっても、メンフィス不在の今の事態ではどうしようもないが、キャロルに耳痛いことは誰も言わない状況が、ただの本人の無自覚及び周囲の無能のせいなのか、ヒロイン絶対視世界のルールからくる甘やかしなのか判断しづらいのが微妙。

似てない王弟ネバメン殿下にせいぜい頑張ってもらうしかありませんな。

*1:メンフィス王@ブチキレ