「古代ギリシアがんちく図鑑」(芝崎みゆき)
なんと去年の12月に芝崎みゆきさんの新作、タイトルも「古代ギリシアがんちく図鑑」なる本が出ていた。氏の古代エジプト文明への愛がみなぎる快作「古代エジプトうんちく図鑑」(↓参照)の1ファンとしても嬉しいかぎりなので、ここでも書いちゃう。図書館検索システムで新刊本を捜していたら偶々このタイトルがヒットし、驚いた私は翌日ゲットしてしまった。「古代エジプトうんちく図鑑」については、私も周囲に面白いよ〜とお勧めしているのだが、確かにちょっとクセがある本ではあるかな(そこが私には面白いのだが)。
「今度はギリシアでなごもう。大好評だった『古代エジプトうんちく図鑑』から2年、待望の新作がユルさ倍増で登場」とある帯コピーに笑。
前作の例によって、手書き(ヘタウマ?)イラストとユル字エッセイでみっしり詰まった355ページ本である。このシリーズは、内容的にはかなり詳細な部分まで書かれてあるのだが、あの絵と手書き文のせいか、なぜか寝転がって読めちゃうような気楽なつくりがとっても好きだ。ギリシア神話、古代ギリシア史、それに御存知旅友エキ氏と巡った2004年ギリシア旅行記などなど、今回も盛りだくさんの楽しい内容になっている。なかでもアポロンとアテネを紹介したコーナーには笑いすぎて涙が出た。でもやっぱり、旅行記の章が一番抱腹絶倒に可笑しくてステキ(「ギリシア人てやつは本当に……」なるショートエッセイは前作の「敵ファイル」に匹敵する可笑しさ)。芝崎さんはあんなに詳細に下調べしてらっしゃるのに、視線に全く奢ったところがなくて、終始、好奇心一杯の古代ファンな目線で一貫させているスタンスがいいなと思う。
しかしながら、古代ギリシア史のあたりはあまりにも詳しすぎたのか、実はまだ一度しか読めていない。これからじっくり(風呂で)読んでみるつもりだ。ビニールカバー買ってきたから濡れても汚れた手で触っても平気よ。