豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

 「後宮」(海野つなみ)

後宮 1 (1)この絵がなんとなく時代物っぽくなくて、でも可愛いな〜と気になっていたマンガ。最近やっと3巻まで読んだ(6月に4巻が発売予定)。原作は「とはずがたり」。時は鎌倉時代、元寇の前後、宮中で御深草院の妃でもあった女官二条という女性が残した日記だそうだ。「とはずがたり」といえば、高校時代に確か杉本苑子さんの小説「新とはずがたり」(参照)を読んで、ななななんてタダレタ中世愛欲世界のハナシなんですかこれは!という記憶しかなかったんだが(前半の愛欲版源氏物語風味しか覚えてないらしい))このマンガはそんな私の先入観を引っくり返してくれた。作者あとがきに「自分は『物語』を書きたいというより、『感情』を書きたい」との一文があって唸る。そうなのだ。たとえ結末も筋もわかっている話でも、読み手の私がすうぅっと引き込まれるのはここに書かれた人物の「感情」にシンクロするからなのだ。カクカクっとした独特の絵もかわいい。続きが楽しみだ。