豆の山

クールなハゲと美女愛好家。家事育児パートに疲弊しつつ時の過ぎゆくままなる日々雑感をだらだら書いています。ナナメな王家ファン。

 映画「トランスアメリカ」雑感

トランス・アメリカ監督・脚本:ダンカン・タッカー
出演:フェリシティ・ハフマン
ケヴィン・セガース
ほか

2005年アメリカ映画
上映時間:1時間43分
原題:Transamerica⇒公式サイト


■感想メモ。
そこにいたのはリネット(「デスパレートな妻たち」参照)じゃなかった。ブリーでもない。いや、役名は偶然ブリーだけど…ってアナタ誰!?なんでそんなもん(謎)がついてるの!!!と叫びたくなったくらい、フェリシティ・ハフマンの化けっぷりに驚く。声も全然違う!どこから出してるの??彼女が演じるのは、性転換手術を受けた元男性の女性なのだ(ややこしいな)。フェリシティはGB賞の受賞スピーチで、「私は、いわゆるひとつの『女性』というキャラクターを着てみただけなのよ」といった意味のことを言っていたように覚えているのだけど、確かにスクリーンの“彼女”は淑女のイメージをひたすら具象化しようとしているように思える。時に痛々しいほどに。彼女は車を運転して文字通りアメリカを横断するのだけど、どんなに埃っぽいところでもあくまでレディーらしく振舞おうとするのを見るにつけ、ガサツな私は大いに恥じ入ってしまった。ブリーを見れば見るほど「女らしさ」って何だろうなぁと改めて頭を悩ませてしまう。でも、ラストの印象的な歌を聴いていると、スパッと答えなんか出さなくていいといわれたような気がした。どうせ人間は謎に満ちていて、自分とは何だろう、どこへいけばいいのだろうとうろうろしながら、旅を続けるしかないんだろうな。テーマとしてはかなりトンがっているのだけど、ただの湿っぽい親子人情噺で終わらず、大いに笑えて刺激的な1本だった。
ブリーの息子役の俳優(Kevin Zegers)のことは初めて見たけど、この人は拾い物だ。バカぽい見た目を裏切る繊細さがいい。子役出身だそうで、バイオグラフィをみるとかなりの芸歴(「ドーン・オブ・ザ・デッド」に出てたらしい)。次に会うのが楽しみだ。